アンリツは10月11日、携帯電話基地局の建設、保守時に必要な測定機能を1台に搭載した基地局マスタ「MT8220T」の販売を開始したことを発表した。
スマートフォンの急激な普及にともない、モバイル回線に流れるデータ量が爆発的に増加しているなか、通信事業社各社は、携帯電話基地局の増設や拡張に注力しているが、それに併せてフィールドでの測定作業が増大しており、効率化が求められるようになっている。
同製品は、同社が販売してきた基地局アナライザ「MT8221B/MT8222B」を小型・軽量化した後継機種で、WCDMA、CDMA/EVDO、LTE(FDDおよびTDD)、WiMAXの各種携帯電話通信方式の無線特性、変調特性、空間電波解析を行うことが可能なケーブル・アンテナアナライザ、スペクトラムアナライザ、内蔵パワーモニタを標準搭載したハンドヘルド計測器。
ケーブルやアンテナの性能試験、高感度スペクトラム測定、妨害波・干渉波探索、受信感度試験、さらには携帯電話基地局から発信される空間電波の信号強度解析が1台で可能であり、LTEをはじめとする各種携帯電話基地局の建設・保守に対応することが可能だ。また、従来はオプションで提供していたGPS受信機能を標準搭載するなどの機能強化も図られている。
さらに、高精細・高照度のLCDタッチパネルを採用しており、屋外での視認性を向上させたほか、アイコン操作を可能としたことで、測定データの管理や事前に設定した測定条件の呼び出しを簡単に行うことが可能となった。
なお、標準機能と規格は以下のとおり。
ケーブル・アンテナアナライザ
- 400MHz~6GHz
- 測定項目:リターンロス、VSWR、ケーブルロス、障害位置検出、位相(1、2ポート)、利得
- 2ポート利得測定 不確かさ:<0.45dB
- 2ポートダイナミックレンジ:>100dB(代表値 110dB)、(400MHz~2800MHz)
- RF妨害波耐性: +17dBm(チャネル)、+10dBm(周波数)
- 校正:OSLおよびFlexCal
スペクトラムアナライザ
- 150kHz~7.1GHz
- 測定機能:占有帯域幅、チャネルパワー、ACPR、C/I、電界強度、スペクトラルエミッション
- ダイナミックレンジ:>95dB(1Hz RBW)
- 表示平均雑音レベル:-163dBm(1Hz RBW)
- 位相雑音:-100dBc/Hz@10kHz offset
- 周波数精度:±25ppb(GPS On時)
- 掃引モード:Fast、Performance、No FFT、Burst Detect
パワーモニタ
- 10MHz~7.1GHz
GPS受信機
- 2000-1760-R パッシブアンテナ付き