三菱電機と気象衛星ひまわり運用事業は10月7日、静止地球環境観測衛星「ひまわり8号/9号」の地上設備として、直径9mの送受信アンテナ・衛星管制設備などを備えた主局(埼玉県比企郡)と副局(北海道江別市)の現地設備の据付工事を10月6日までに完了したと発表した。

ひまわり8号は2014年夏ごろの打ち上げ予定で、2015年からの本格運用(観測データの提供)が予定されている。今回の送受信アンテナ・衛星管制設備などの設計・製造・現地据付工事は三菱電機が担当したもので、観測データの送受信を従来の主局1局の運用から主局・副局の2局体制としたほか、各局内でも直径9mのアンテナ設備2式を含む2系統の冗長構成を確保することで気象庁への観測データの安定的提供を実現したという。

また、従来は原則1日1回しかできなかった衛星への運用指示回数を、2.5分間隔(最大1日576回)で指示することを可能にしており、これにより、台風の監視やゲリラ豪雨をもたらす積乱雲の監視など即応性の高い領域ごとの観測データの取得が可能になるという。

さらに、2機の衛星と両局にある地上設備を同時監視する総合監視システムを導入したことにより、15年間にわたる予定の運用業務の省力化を実現することが可能になったとする。

なお今後、同事業会社は本格運用に向けたオペレーターのトレーニング実施を行い、両局に設置した地上設備を用いた総合試験を行う予定とするほか、三菱電機が気象庁から製造を受注している「ひまわり8号」との各種試験などを実施していく計画としている。

主局の風景(埼玉県比企郡)

副局の風景(北海道江別市)