パナソニックは、放送カメラ用CAC(色収差補正)技術の開発で、米国テレビ芸術科学アカデミー(The National Academy of Television Arts&Sciences)より2013年度テクノロジー&エンジニアリング エミー賞を受賞した。エミー賞は、2014年1月9日に国際コンシューマーエレクトロニクスショー(CES)展示の一環として公開される予定。

倍率色収差はすべての光学系に固有のもので、光学設計で補正される必要がある。今回開発された技術は、レンズ収差をモデル化し、リアルタイムで電子補正を適用するというコンセプトによって画質を向上させるとともに、ローコストなカメラや光学系でも画質を改善することが可能となる。

レンズ色収差補正とは、レンズ自体で補正しきれないわずかな色収差などが主な原因で発生するレジストレーションエラーを、カメラレコーダー本体にて自動的に補正し周辺画像の色にじみを最小限に抑える機能である。CAC対応レンズを使用することにより、映画用プライムレンズに近い映像がズームレンズで得られるという。

同技術は、パナソニックの放送業務用半導体収録システム「P2HD」シリーズに採用され、AG-HVX200からAG-HPX255までの業務用ハンドヘルドHDカメラレコーダー、放送用の肩乗せ型HDカメラレコーダーではAG-HPX600やAJ-HPX3100、P2-VARICAMシリーズ、最新モデルのAJ-PX5000G(AVC-ULTRA記録対応)に搭載されている。

テクノロジー&エンジニアリング・エミー賞は、1948年に設立され、放送技術のイノベーションを称えて、テレビエンジニアリングに多大な影響を与えた技術貢献に対して企業・団体・個人に贈られるものである。パナソニックは、これまで17のエミー賞を受賞し、そのうち13件はデジタルビデオ技術分野のものとなっている。