デザインの世界で活躍しているクリエイターは数多くいますが、美術大学に通う学生たちが等身大の感覚で「かっこいい!」と思っているクリエイターはどのような人たちなのでしょうか? 今回は、都内の美術大学に通う現役学生20名に聞いてみました。

Q."今アツい"と思うクリエイターは誰ですか?

ライゾマティクス
「映像や空間デザインなど、ジャンルを超えてどんどんかっこいいものを作っているので」(女性/23歳)

2006年に結成された少数精鋭のクリエイティブカンパニー。今年6月の「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」のプレゼンテーションで披露され話題となった、Perfumeのライブパフォーマンスもライゾマティクスによるもの。

中山晃子
「絵の具や液体の流れをプロジェクターで映し出すライブペインティングを行っているアーティストさん。これから様々なジャンルとのコラボレーションが期待できる人だと思う」(男性/22歳)

2012年に東京造形大学大学院を卒業したばかりの若手女性アーティスト。偶然に生み出される色合いやにじみを、空間・音楽に合わせて投影するインスタレーションは、思わず見入ってしまう美しさです!

■田中義久
「ムダなものがなく、シンプルで洗練されたデザインがかっこいいです!」(女性/19歳)

2013年、JAGDA新人賞受賞のデザイナー。代表作に、Yohji Yamamotoのコレクション・インビテーション、ホンマタカシ写真集『その森の子供』のブックデザインなど。彫刻家の飯田竜太とのアーティストユニット「Nerhol」としても活動しています。

STUDIO NEW WORK
「日本人のデザインチームが海外で、しかもスイスタイポグラフィの流れを受け継いで活躍しているから」(男性/24歳)

ニューヨークのFashion Institute of Technologyで学んでいた日本人学生によって2007年に設立されたデザインユニット。タイポグラフィーのデザインにこだわった雑誌を自主制作しているほか、ファッション関係の広告・エディトリアルなどを中心に手掛けています。

オオクボリュウ
「ちょっとレトロな雰囲気のある独特な色使いと、印象に残るイラストで、一度見たら忘れられないかっこよさです」(女性/21歳)

2012年多摩美術大学グラフィックデザイン学科を卒業後フリーランスとなり、雑誌TRANSITの挿絵や、快速東京「かいじゅう」や、斉藤和義「カーラジオ」のPVイラストなどを手掛けているクリエイター。脱力感のある線と、どことなく海外の香りのする色合いのイラストレーションが魅力的です。

アンケート結果では他にも大物デザイナーの名前も挙がりましたが、今回は若手クリエイターを中心にピックアップしてみました。紙媒体・映像・インスタレーションなど、メディアに捉われずに作品を手掛けている人が多いのが印象的でした。アンケートに回答をしてくれた美大生たちも、この先輩たちの背中を見ながらいずれはそれぞれがクリエイターへと育っていくと思うと、ワクワクしてしまう筆者でした。