Analog Devices(ADI)は9月26日、浮動小数点演算をサポートしたARM Cortex-M4(動作周波数240MHz)と、最大14ビット精度(ENOB)を有する変換時間380nsを実現したデュアル16ビットSAR A/Dコンバータ(ADC)を集積したミクスドシグナルプロセッサ「ADSP-CM40xファミリ」を発表した。

現在、世界の電力の40%はモータによって消費されていると言われており、その多くが電源のオン/オフのみによるアナログモータだ。これをデジタル制御可能なものに変えることで、電力消費量を抑制しようという動きがある。

また、一方でシステムベンダは、設計開発期間の短縮、低コスト化などを実現する開発の簡易化というニーズがあり、同社ではMathWorksがCortex-Mに最適化した「Embedded Coder」などのツール群の利用を可能とすることで、シミュレーションからコード生成、組み込みプラットフォームえの実装までの設計を提供することを可能としたとしている。

同ファミリには最大2MBのフラッシュ、最大384KBのSRAM、16KBキャッシュが搭載されているほか、アクセラレータとして、SINC3フィルタ、絶縁ΣΔADCとのダイレクト接続機能、高調波解析エンジン(HAE)などが搭載されている。また、ADCには3セット×4chペア(最大24ch出力)ならびに対称/非対称、その他各種モードなどに対応した改良型PWMユニットなども搭載されている。

「ADSP-CM40xファミリ」の特長とブロック図

なお、同ファミリは10製品で構成されており、すでにサンプル出荷を開始している。単価は年間1000個受注時で8.14ドルから(米国における販売価格)となっている。このほか、同社では産業モータ制御向け評価ボードや太陽光発電インバータ向け評価ボードなども用意しており、これらを活用して開発を容易に始めることも可能となっている。

「ADSP-CM40xファミリ」は全部で10製品をラインアップ。評価ボードも2製品が用意されている

「ADSP-CM40xファミリ」の評価ボード。左がADSP-CM403Fを搭載した評価ボード「ADZS-CM403F-EZKIT」、右がADSP-CM408Fを搭載した評価ボード「ADZS-CM408F-EZKIT」