OSv designed for the cloud

9月17日(米国時間)、クラウドでの利用を想定して開発された新しいオペレーティングシステム「OSv」が発表された。BSD系のオペレーティングシステムに新しいシリーズが登場したことになる。仮想環境で動作することを前提としてカーネルが開発されており、Amazon EC2をはじめKVM、Xen、QEMUなどで動作する。VMwareへの対応は年内に実施される見通し。スケジューラやメモリ管理を工夫し、さらに必要のない処理を省いた実装に置き換えることでアプリケーションが高いパフォーマンスを発揮できるようになっている。

OSvはBSDライセンスで開発されており、GitHubから入手可能。ネットワークスタックやカーネルでFreeBSDのソースコードが使われているほか、OpenBSDやNetBSDのソースコードも利用されている。しかし大半の部分が独自に開発されたソースコードになっており、処理速度の高速化のために工夫が凝らされていることがわかる。

OSvのビルドはソースコードを取得した状態でmake external allで実施できる。KVM/QEMUで実行する場合、./scripts/run.py -nv -m 2GのようにOSvを起動する。ssh経由でログインして利用できるほか、http://192.168.122.89:8080/で管理画面にアクセスできる。

汎用的な目的で使用できるオペレーティングシステムはさまざまな状況に対応するためにチェックやロックのコードが増えるなど、開発が進むにしたがってソースコードの量は増え、構造も複雑になる傾向がある。OSvはクラウドや仮想環境で実行するという目的に特化してそうした複雑になったコードをリフレッシュして、さらにスケジューリングやメモリの扱いを変更することでアプリケーションの高速実行を可能にしている。仮想環境やクラウドでの利用で従来のオペレーティングシステムよりも性能が期待できる。