STMicroelectronicsは9月13日、UltraHD(2160p)およびHEVC(High Efficiency Video Coding)ビデオデコーディングに対応したセットトップボックス(STB)用SoCとして、「Cannes」および「Monaco」の2つの製品ファミリを発表した。

「Cannes」ファミリの「STiH312/310/305」3品種は、高解像度プレミアムコンテンツのサポートから、コストが最適化されたソリューションまで、幅広いニーズに対応する。同ファミリは、ARMマルチコアプロセッサをベースにした高度な演算能力、卓越した2D/3Dグラフィック性能、プリプロセッシング機能を持った統合型ハードウェアビデオエンコーダ、Faroudjaビデオ処理技術を提供する。また、Wi-Fi接続をサポートするPCIe、スマートカードインタフェース、6Gbps Gen3 eSATAインタフェースを2個搭載している他、USB2.0/3.0、低消費電力モード、プレミアムコンテンツを配信するための包括的なセキュリティツールボックスが特徴となっている。

「STiH312」は、低速ブロードバンド接続された次世代STBで2160pのUltraHDコンテンツを含むHEVC高解像度コンテンツのストリーミングを可能にする。UltraHDコンテンツは、高い臨場感と映像への没入感により、優れた視聴体験を提供する。さらに、UltraHDとHEVC規格を組み合わせることにより、極めて高い品質のコンテンツを提供できる一方、配信コストを削減することができる。また、「STiH305/310」は、H.264やHEVCを含む各種ビデオ規格に対応するとともに、HEVC HDコンテンツのクラス最高のソリューションを含むサービスを少ない回線使用容量で提供できるため、コストが最適化された次世代STBを実現できる。

「Monaco」ファミリは、ホームゲートウェイなどのサーバ型製品向けの経済的かつ多機能なソリューションとなっている。STのFaroudja Transcode Engineが、様々なコンスーマ製品やハンドヘルド製品でマルチスクリーン体験を実現するクラス最高のトランスコーディング機能を提供する。これにより、通信事業者はネットワーク帯域幅を削減しながら、あらゆる家庭に優れた品質のサービスを提供できるようになる。「Monaco」ファミリには、UltraHDに対応した「STiH412」、およびHD市場を対象にしたコスト最適化製品「STiH407/410」が含まれている。

なお、「STiH312/310/305/412/410/407」は、複数アプリケーションに対応したボード設計を加速させるため、出力ピンが共通している。2013年第4四半期より主要顧客向けにサンプル出荷が開始される予定。2つのファミリは、幅広いラインアップと実績があるソフトウェア開発キット(SDK2)を組み合わるとともに、RDK(Reference Design Kit)、Google TV、HTML 5、その他のミドルウェアをサポートしている。