海洋プランクトンの蛍光タンパク質を組み込んだ“光るトレニア”
(提供:NECソフト)

海のプランクトンの蛍光タンパク質を植物体に組み込んだ“光るトレニア”の開発に、NECソフト(本社・東京都江東区)と農業・食品産業技術総合研究機構花き研究所、インプランタイノベーションズ(本社・横浜市)、奈良先端科学技術大学院大学が成功した。5日発表した。

“光る花”はこれまでにも、オワンクラゲの緑色蛍光タンパク質(GFP)の遺伝子を植物体に組み込むなどして作られているが、実際に目で確認できるほどの強い傾向を発する植物は得られていなかった。

研究チームは遺伝子組み換え技術を用いて、海の動物プランクトン「キリディウス・ポペイ」(Chiridius poppei)から発見された蛍光タンパク質の遺伝子をトレニアに導入した。このタンパク質は、暗闇の中で特定の波長の光(励起光)を当てると鮮やかな黄緑色の蛍光を発する。さらに、トレニアの細胞内にタンパク質を多量に蓄積させる技術を組み合わせて、これまでにない“強く光る花”を実現させたという。

今回の“光る花”の開発は、蛍光の解析によって植物体での遺伝子の働きを知る技術や、花き市場でもイベント用や贈答用として注目されそうだ。

研究成果は、9月10-12日に札幌市で開かれる「第31回日本植物細胞分子生物学会(札幌)大会・シンポジウム」で、「高翻訳効率発現ベクターと新規蛍光タンパク質遺伝子を用いた光る花の開発と利用」の演題名でポスター発表する。