本田技研工業(ホンダ)は6日から、フルモデルチェンジしたコンパクトカー「フィット」「フィット ハイブリッド」の販売を開始する。5日には同車の発表会が行われ、「フィット」シリーズ計17台が会場に展示された。
「新型『フィット』は世界一をめざしました。世界一便利で、世界一愛されるコンパクトカー。それがこの新しい『フィット』です」。発表会の冒頭、本田技研工業代表取締役社長執行役員、伊東孝紳氏はこのように述べた。同車は2001年の発売以来、123の国・地域で累計487万台を販売し、「いまのホンダの最重要機種」の位置づけに。「2009年に社長に就任して以来、『フィット』を世界一のコンパクトカーへ成長させることが、ホンダの成長戦略の根幹になると考えてきました」と伊東氏は言う。
3代目となる新モデルでは、パワートレインと車体を完全新設計し、居住性、燃費性能、デザイン、走りのすべてが進化。ハイブリット車には新たな1モーターシステム「SPORT HYBRID i-DCD」が搭載され、36.4km/リットル(JC08モード)の低燃費を達成し、レスポンスの良い走りも実現した。ガソリン車も新開発エンジンにより、従来のハイブリッド車に匹敵する26.0km/リットル(JC08モード)となった。
「コンパクトカーの枠を超え、魔法のような燃費と走り、ユーティリティ、デザインを実現させています」と伊東氏。ホンダの新デザインコンセプト「EXCITING H DESIGN!!!」の先がけとして、「いままでにない、アグレッシブで先進性のあるデザイン」(伊東氏)を追求したという。
質疑応答では、ハイブリッド車の36.4km/リットル(JC08モード)というクラストップレベルの低燃費に関して、「今後さらに引き上げる余地があるのか? あるいはもう限界に来ているのか?」と質問が。「決してそんなことはないと思います」と伊東氏は答え、「今回提供する1モーターシステムは、いま我々が用いる技術の中で最高にすばらしいシステムと自負していますが、初めて本格採用したものもあり、今後も進化するでしょう。車自体をもっと軽く、きびきび走らせるために、減量化に関してもやれることがあります。まだまだ先はあると考え、毎日の研究開発を進めています」と説明していた。
新型「フィット」「フィット ハイブリッド」は、ボディカラー全11色(ハイブリッド車専用のビビッドスカイブルー・パールなど、新色5色を含む)、インテリアカラー全6色を設定。「フィット」(ガソリン車)の価格は126万5,000円から186万9,000円、「フィット ハイブリッド」の価格は163万5,000円から193万円となっている。国内における販売計画台数は、シリーズ合計で月間1万5,000台。