Silicon Laboratories(Silicon Labs)は、業界最低レベルのジッタと消費電力を実現し、フレキシブルな周波数設定ができる、シンクロナス・イーサネット(SyncE)規格ベースの高速ネットワーク機器向けタイミング・ソリューション製品「Si5328」を発表した。

同製品は、キャリア・イーサネット・スイッチおよびルータにおけ超低ジッタ物理層リファレンス・クロックのニーズに対応可能なもので、任意の周波数を生成する機能と、最低263fsのRMSジッタ性能を実現しているほか、競合他社のSyncEクロック製品比で80%の小型化と80%の電力効率向上を実現しているという。

8kHz~710MHzの任意の入力周波数から8kHz~808MHzの任意の出力周波数を生成することが可能で、この機能により、従来の電気通信で使用されているほぼすべての周波数もしくはSyncE周波数に同期または発振できるようになり、ネットワーク・システムの設計者はGbE~100GbE システムの設計を単純化することができるようになると同社では説明する。

また、EECオプション1と2を含むITU-T G.8262のSyncE クロック要件と完全に互換性があり、Stratum 3の温度補償水晶発振器(TCXO)と組み合わせて使用することで、SyncE規格に定められているジッタ、ワンダ、およびホールドオーバ要件をすべて満たすことが可能だ。

さらに0.1Hz または1~10Hzでループ帯域幅を選択可能なループ・フィルタが内蔵されているため、SyncE仕様互換が要求されるあらゆるネットワーク・システムに組み込んで使用できるため、一部のシステムでは高価なディスクリートのタイミング・カード位相ロック・ループ(PLL)を不要にできるなどの特長を持つ。

なお、同製品はすでに小型6mm×6mm QFN パッケージにて量産提供を開始している。2つの速度グレードが用意されており、346MHzまでのクロック出力をサポートしている「Si5328C-C-GM」は1万個時の単価が7.50ドル、808MHzまでのクロック出力をサポートしている「Si5328B-C-GM」は1万個時の単価が9.38ドルとなっている。

シンクロナス・イーサネット(SyncE)規格ベースの高速ネットワーク機器向けタイミング・ソリューション製品「Si5328」