トッパン・フォームズは7月23日、ダイレクトメール(DM)に関する脳科学実験を実施した結果、同じ情報であっても紙媒体(反射光)とディスプレイ(透過光)で、脳がまったく異なる反応を示すことを確認したと発表した。

同成果は、同社とニューロ・テクニカの共同研究として、国際医療福祉大学の中川雅文教授(医学博士)の監修のもと得られたもの。詳細は、同社が7月24日~25日に名古屋で開催するプライベートショー「IDEA PREVIEW 2013 「伝えること」「伝わること」トッパンフォームズの情報ソリューション」の中で、紹介されるほか、関連セミナーにて実験結果の一部が紹介される予定だという。

今回の実験は、ヒトがDMに接した時に、脳のどの部位が反応しているのかを、近赤外分光法(NIRS:near-infrared spectroscopy)が利用できる「近赤外光イメージング装置」を用いて測定する形で行われた。

同法は個体差がないシンプルな生理学的反応から、少ない被験者数(今回は6名)でも安定した結果を導き出すことが可能であり、今回の実験からは、DMのメディアとしての特性や他のメディアと比べた優位性など、これまで実証されなかったことが脳の生体反応レベルで判明したという。

特に、同じ情報であっても紙媒体(反射光)とディスプレイ(透過光)で、脳はまったく異なる反応を示すことが確認されたという。具体的には、紙媒体の方が脳内の情報を理解しようとする箇所(前頭前皮質)の反応が強く、ディスプレイよりも紙媒体の方が情報を理解させるのに優れていること、ならびにDMは連続的に同じテーマで送った方が深く理解してもらえることなどが確認されたという。

なお同社では、今回の実験により判明したデータの分析をさらに進め、そこから得られた知見を今後のダイレクトマーケティング戦略策定に活用していく予定だとしている。

ディスプレイを見た時の脳の反応(左)とDMを見た時の脳の反応(右)の違い