Texas Instruments(TI)は、車載アプリケーションのISO 26262標準規格の機能安全要件への適合支援を目的とした車載用モータドライバファミリ「DRV-32xx-Q1」を発表した。

今回、3相ブラシレス、プリFETドライバ3品種6製品を新たにラインアップ。スタートストップおよびコールドクランク条件のアプリケーションの設計を簡素化した、「DRV3201-Q1」では昇圧型レギュレータを集積したことで、バッテリー電圧を保持するための大型のコンデンサが不要とした。「DRV3203-Q1/3204-Q1」では内蔵のLDO(ロードロップアウト)リニアレギュレータコントローラと外付けFETにより、大型のコンデンサや外付けの昇圧型レギュレータが不要。これらにより、外付け部品点数の削減、システム・コストの削減および基板実装面積の縮小が図れる。

また、内蔵されたハードウェア診断回路では、プリFETドライバの短絡、過電圧/電圧低下および、過熱などの診断に対応する。システムのマイコンは、SPI経由で「DRV32xx-Q1」ファミリと通信し、内部状態の監視が可能となっている。さらに、ISO 26262標準規格の機能安全要件への適合を実現した。「DRV3201-Q1」は電動パワーステアリングおよび電子ブレーキシステムをはじめとした顧客の各種セーフティクリティカルなアプリケーションにおけるASIL-D標準規格の要件への適合を支援する。「DRV3203-Q1/3204-Q1」は、油圧ポンプおよび水圧ポンプなどの各種セーフティクリティカルなアプリケーションのASIL-B標準規格の要件への適合をサポートする。

用途として、電動パワーステアリング、HEV/EV(ハイブリッド自動車/電気自動車)、パワートレイン、油圧ポンプ、水圧ポンプおよび電子ブレーキシステムなどが想定されるとしている。

なお、パッケージは「DRV3202-Q1」が80ピンHTQFP、「DRV3201-Q1」が64ピンHTQFP、「DRV3204-Q1/3203-Q1」が48ピンHTQFP。価格は「DRV3202-Q1」が1000個受注時で3.80ドル、「DRV3201-Q1」が同2.63ドル、「DRV3203-Q1/3204-Q1」が同2.1ドルから。「DRV3203-Q1/3204-Q1」は、Grade 1(動作周囲温度125℃まで)デバイスが供給中で、Grade-0(同150℃まで)デバイスを2013年10月より供給を開始する予定。「DRV3203-Q1/3204-Q1」のシミュレーションモデルおよびEVM(評価モジュール)は供給中。また、「DRV8801-Q1/DRV8823-Q1/DRV8832-Q1/DRV8301-Q1」のEVMも供給中。