東京都は、都内の手足口病患者数が警報基準を超え、大きな流行になっているとし、注意を呼びかけている。

都によると、夏季の子どもの感染症として知られる手足口病、ヘルパンギーナおよび咽頭結膜熱(プール熱)の患者報告数が増加しており、うち、手足口病患者の約9割は6歳以下の小児(うち約半数が2歳以下)だという。

2013年第27週(7月1日~7日)において、都内262カ所の小児科定点医療機関から報告された手足口病の患者報告数(都内全体)は6.01人(週)で、過去5シーズンの中で2011年の流行時に次いで高い値となっている。保健所別の患者報告数が警報基準値を超えたのは、31保健所中19カ所で、管内人口の合計は東京都全体の62.3%に上る。

なお、都の手足口病の警報基準は、定点当たり患者報告数が基準値の5.0人(週)以上となった保健所の管内人口の合計が、東京と全体の人口の30%を超えた場合となる。

東京都における手足口病の発生状況(保健所管轄地域別)(2013年第27週)(出典:東京都Webサイト)

ヘルパンギーナの定点当たり患者報告数は2.09人(警報基準値は6.0人)、咽頭結膜熱の定点当たり患者数は0.90人(基準値は3.0人)。

手足口病、へルパンギーナおよび咽頭結膜熱は、ウイルスによる感染症で、主にウイルスが含まれた咳やくしゃみを吸い込んだり、手を介して口に触れたりすることで感染する。感染を防ぐためには、こまめな手洗い、咳やくしゃみをする時には口と鼻をティッシュ等で覆う、集団生活ではタオルの共用を避けることなどがポイントとなる。

ただし、症状が治まった後も、2~4週間は患者の便の中にウイルスが含まれているため、トイレやオムツ交換の後、食事の前などに手洗いを心がけることが重要だ。都は、家庭での手洗いの習慣づけや、保育所、幼稚園、学校などでの感染予防指導への協力を呼びかけている。