Oracle, The World's Largest Enterprise Software Company

OSSでよく採用されている組み込みデータベースのひとつに「Berkeley DB」がある。キーバリュー形式の組み込みデータベースで、歴史が長いこともあってオープンソースのソフトウェアではBerkeley DBを採用しているものが少なくない。Berkeley DBはSleepycatによって開発されていたが、Oracleに買収されてからはOracleのプロダクトとして開発されている。

Oracleは先月、Berkeley DBのメジャーリリースバージョンとなる「Berkeley DB 12gR1 (12.1.6.0)」を公開したが、このバージョンに関していくつかのOSSプロジェクトが議論をはじめている。Oracleは同バージョンからライセンスをAGPLv3 (Affero GNU General Public License v3)へ変更したため、ライセンス的に受け入れ難いとするプロジェクトがでている。

AGPLv3はGPLv3よりもライセンスの適用範囲が広く、Webサービスの形式でサービスを提供した場合にも、ソースコードを提供する必要があるとされている。GPLv3ではWebサービスのような形式でサービスを提供する場合には、ソースコードの提供は求めていなかった。

Berkeley DBは組み込み型のデータベースであるため、Berkeley DB 12gR1 (12.1.6.0)以降のバージョンを使う場合、このソフトウェアを組み込むソフトウェアはAGPLv3の影響を受けることになる。この影響を避けたいプロジェクトでは、使用するBerkeley DBをライセンスが変更される以前のバージョンで固定すること、利用する組み込みデータベースをBerkeley DBからほかのデータベースへ変更すること、などの議論をはじめている。