世田谷美術館は、インダストリアルデザイナーの榮久庵憲司と創造集団GKの60年にわたるデザイン活動を紹介する展覧会「榮久庵憲司とGKの世界ー鳳が翔く」を開催する。開催期間は7月6日~9月1日(7月15日を除く月曜と7月16日は休館)、開場時間は10:00~18:00(入場は17:30まで)。入場料は一般1,000円、65歳以上・大高生800円、中小生500円。
同展では、榮久庵憲司と彼が率いる創造集団GKが、戦後の復興期より60年にもわたってデザインしてきた数々の製品を、模型や将来へのプロポーザル、さらには人と自然と道具が共生する世界を具現化したインスタレーション作品などとあわせて紹介する。その領域は、日ごろ街中で目にする日用品やオートバイから、博覧会場の施設やサイン類、都市のインフラストラクチャーまで多岐にわたり、モダンデザインと東洋の思想を融合しながら、人と道具のあるべき関係をデザインによって提案し続けている。
また、7月21日(15:00~16:00)、榮久庵が未来生活のデザインについて語る記念講演会「生活美を求めて」(手話通訳付)が行われる。会場は同美術館講堂。当日先着順(定員150名)で、参加費は無料。
なお、榮久庵憲司は1929年東京都生まれのインダストリアルデザイナー。東京藝術大学に在学中の1952年、工芸科助教授の小池岩太郎のもとで「モノの民主化」、「美の民主化」をスローガンに、当時の日本としては類のないインダストリアルデザインを専門とするグループ「GK(Group of Koike)」を結成。1955年に同大学美術学部図案科卒業後、戦後復興が始まった日本社会に日常生活で使う製品を送りだしていくようになる。さらに1970年の日本万国博覧会では全体計画の最初期から関わり、企業パビリオンなども手がけた。現在もGKデザイングループ代表であるとともに、世界デザイン機構会長、日本デザイン機構会長などを務める。