島津製作所は6月20日、結晶Si型太陽電池セル生産における電極印刷プロセス向け電極検査装置「SCI-8P」を発表した。

太陽電池の需要は拡大を続けているが、その価格や品質に対する競争は激しさを増しており、生産性の向上と品質管理の厳格化を実現しつつ、低コスト化を図ることを目的に太陽電池セルの生産工程における、従来人手で行ってきた検査の自動化が求められるようになってきた。

これまで、同社は太陽電池セル検査装置として、1台でマイクロクラックとウェハ外観を同時に検査できる複合検査装置「SCI-8SM」、業界最小クラスの外観検査装置「SCI-8S」の2機種を2013年3月に発売していたが、今回、電極検査装置「SCI-8P」をラインアップに追加しすることで、歩留りや発電効率の向上が可能になると同社では説明している。

同製品の特徴は大きく2つ。1つは、高変換効率化に伴う微細な電極への対応。近年、高変換効率化のために電極の微細化が進んでいるのに対応するため、業界最高レベルの高分解能カメラ(35μm/画素)と独自の画像処理技術を組み合わせた。太陽電池の変換効率の低下につながる電極の太り・細りや断線などの欠陥、印刷位置のズレなどを早期発見し、ライン停止による長期の生産中断の防止や歩留りの向上に効果を発揮するという。

もう1つは、 電極および外観検査を同時に高速で実行できる点。電極の太り・細りや断線などを検査する電極検査、ウェハ外形部の割れまたは突起、反射防止膜のパーティクル、膜厚および分布測定などのウェハ外観を検査する外観検査を1台で同時に、かつ業界最速レベルの測定時間1秒/枚以下で実施できる。

なお、価格は1000万円で、初年度20台の販売を計画しているという。

結晶Si型太陽電池セル生産における電極印刷プロセス向け検査装置「SCI-8P」