ハーバード大学工学・応用科学科およびイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究者らから構成される研究チームは6月18日(米国時間)、3Dプリンタを使って1mmに満たない極小のリチウムイオン電池を開発したことを「Printing tiny batteries」にて発表した。ページには3Dプリンタを使って実際にリチウムイオン電池を製造する工程が動画で紹介されている。この小型バッテリーは医療分野での応用が期待できるほか、虫を模倣したタイプの小型ロボットの開発研究や着衣タイプの新しいデバイスの開発などでの研究開発段階での利用が期待できる。

研究チームはバッテリーを小型化する方法として3Dプリンタの技術を応用する案を採用。リチウムイオンバッテリーを構成する液体状の基本素材を開発し、これを3Dプリンタ経由で出力しながら積み上げていく方法を考案している。開発の工程は、生クリームを絞り袋から出しながらケーキをデコレーションしていくように、バッテリーの素材を極小のノズルの先頭から出しながら積み上げている。素材が出力されるノズル部分の幅は人間の髪の毛よりも細いという。

量産ができるような開発方法ではないため、この製造技術を活用したプロダクトが市場に出回ることは難しいとみられる。研究開発の分野において活用される可能性が高い。

Printing tiny batteriesより抜粋

Printing tiny batteriesより抜粋

Printing tiny batteriesより抜粋

Printing tiny batteriesより抜粋