猫の飼い方を教える本には1日平均14時間以上眠ると書いてあることが多いようです。猫はなぜこんなによく眠るのでしょうか。そして、眠っているときにはどんな夢を見ているのでしょうか。今回は、猫の睡眠の秘密に迫ります。

■猫という名前は、よく寝る子、「寝子」からついた?

猫の語源はいろいろ諸説があるものの、よく寝る子、「寝(ね)」+「子(こ)」から猫という名前になったという説が一般的なようです。その他にも、ネズミを待つ子、ネズミを好む子だから猫という説もあれば、ネウネウと鳴くから猫という説もあるようです。

■猫は夜起きて昼寝てるから寝てばかりのように見えるだけ。ただし、飼い猫の場合は夜も寝てる

人間の活動時間と猫の活動時間は、実際は異なります。そのため寝てばかりいるように見えやすいのです。ただし飼い猫の場合は、夜に活動する必要もないため、ゆっくり夜も寝ている子もいます。外猫の場合は夜からが、狩りの本番です。基本的に猫が昼間に寝てばかりいるのは、本番のために力を蓄えているからなのです。

■眠っている間は、狩りのシミュレーション中?

飼い猫が、眠っているときに白目をむいてピクピクしながら「ウー」とうなっていることを見たことがある飼い主さんも多いのではないでしょうか。

フランスのリヨン大学の研究によると、猫がレム睡眠中に見る夢は、かなり危機的な状況から脱出したり、狩りをして攻撃をしかけたりするようなスリリングな夢を見ていることが多く、猫は夢の中で危機管理シミュレーションを行うことがわかっています。

猫が寝ている時に、手足や尻尾をパタパタ動かしたり、うなったり、何か食べているような様子を見せたら、それは夢の中で何かと戦い、見事獲物を勝ち取ったということなのかもしれません。

■猫のレム睡眠と、ノンレム睡眠の見分け方

体は深く眠っているけれど、脳は活発に動いている浅い眠りをレム睡眠といい、脳も体も深く眠っている状態をノンレム睡眠といいます。猫がおなかを見せたり、だらっと横になって眠っていたりする時は、レム睡眠に入っている時のポーズで、うずくまって行儀よく眠っている時は、ノンレム睡眠に入った時のポーズだそうです。

■寝ている時に、猫が無防備すぎる理由

猫はレム睡眠中、何ともだらしない無防備な姿をしますが、それはレム睡眠中に活発に動く脳に理由があると言われています。このレム睡眠中の脳の動きは、起きて運動をしている時と変わらないレベルという説も。

猫はレム睡眠中、夢の中で危機管理シミュレーションを行いますが、実際にシミュレーションと同じように体が動いてしまうと、眠れないのはおろか、自分の体を傷つけてしまうことも考えられます。だからシミュレーション中は全身を脱力しておく必要があり、あの何ともだらんとした寝姿になるようです。

猫が寝ている間に手足をパタパタ動かし始めたら、それは狩りの真っ最中か、一生懸命逃げている真っ最中だということ。獲物が取れるか、無事に敵から逃げられるか、一生懸命シミュレーションをして経験を蓄えているため、パタパタ動いても起こさずに、そっと寝かせておいてあげましょう。