計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは6月4日、半導体デバイスアナライザ「Agilent B1500A」用のソース/モニタユニット(SMU)およびソフトウェアを機能拡張したと発表した。

「B1500A」では、IV(電流/電圧)測定(0.1fA–1A/0.5μV–200V)から、静電容量測定(1kHz–5MHz)、ナノ秒レベルまでの高速パルス/トランジェントIV測定まで、あらゆる特性評価に対応している。

今回発表された「Agilent B1514A」は、50μsパルス中電流SMUで、30V/1Aで高速なパルスを発生できる他、波形モニタ機能も搭載している。同時に発表された中電流SMU「Agilent B1511B」は、オプションのアトセンススイッチユニットにより、0.1fAの微小電流測定を低価格で実現している。最新版ソフトウェア「EasyEXPERT 5.5」では、300を超える測定アプリケーションテストが、手動操作の他、複雑なプログラムなしにリモートで実行できる。

「B1514A」は、従来のSMUに比べ10倍以上高速となる、50μsの高速パルス測定が可能。また、30V/1Aまでの電圧/電流レンジで、電流/電圧をプログラム制御することができる。今日の最先端材料やデバイスの特性評価では、パルスIV測定を行うことが一般的となってきており、こうした要求に応えるため、EasyEXPERTのオシロスコープビューを利用することで、実際の電圧/電流波形をモニタ可能。同機能により、パルス測定の設定を確認しながら、迅速かつ簡単にパルス測定時のタイミングなどの測定パラメータを最適化できる。

「B1511B」では、アトセンススイッチユニットを利用することで、これまでより低コストで0.1fAまでの微小電流測定に対応している。1チャネル当たり約24万円で、リーク電流測定など、次世代デバイスの研究開発を加速するための高精度な微小電流特性評価ニーズに対応する。

最新版の「EasyEXPERT 5.5」では、内蔵アプリケーションテストのリモート実行機能の他、GUIベースのスイッチングマトリックス制御機能、アプリケーションライブラリの拡充などが含まれている。さらに、「B1514A」用の、オシロスコープビューにも対応している。「EasyEXPERT」はWindows 7上で動作するGUIベースのソフトウェアで、効率的で再測定も容易なデバイス特性評価を、手動での測定だけでなく、半自動ウェハ試験環境でも可能にする。

「B1514A/B1511B」の各SMUと、最新版の「EasyEXPERT」により、半導体デバイスアナライザ「B1500A」は、汎用性、測定に対する高い信頼性、効率的で再測定も容易な測定環境を有するデバイス評価ソリューションとなっている。最先端のパラメトリックテストに必要な各種測定機能に対応しており、デバイス、材料、半導体、能動部品/受動部品をはじめ、あらゆる電子デバイスの特性評価に最適という。

アジレントの半導体デバイスアナライザ「Agilent B1500A」