米Wall Street Journalの5月19日(現地時間)の報道によると、米Yahoo!の役員会は同日、11億ドルでの「Tumblr」買収で合意したという。Tumblrは2007年設立のBlogサービスを提供するスタートアップ企業で、Yahoo!は同サービスの取り込みによりユーザー層の拡大を目指す。またYahoo! CEOのMerissa Mayor氏が昨夏に同職に就任してからは、初の大型買収案件となる。

既報の通り、Mayor氏とTumblr共同創業者兼CEOのDavid Karp氏が交渉を行っていたことは先週より報じられており、週明けの月曜日を待たずしての決定となった。ただし現時点でYahoo!からは公式の発表が行われておらず、続報が待たれる状態だ。おそらく、現地時間で20日ないし21日にあらためて公式アナウンスまたは別のルートからの続報が出てくるとみられる。

変化の早いインターネット世界において、黎明期にビジネスをスタートさせたYahoo!は一定のブランドを確立し、すでに老舗として認知されている。一方で会社のビジネスと成長を支えるための次のエンジンを必要としており、Mayor氏はモバイルを重点分野としているほか、動画配信サービスやユーザー主導のコンテンツなど新しいメディアの取り込みに積極的になっている。

Tumblrを支えるユーザーはどちらかといえばインターネットのトレンドをけん引する新世代層に属しているが、過去の買収事例をみてもあまり新しいリソースを活用できていないYahoo!を快く思っていない可能性がある。

Yahoo!はこれらユーザーに新しい価値を提案し、さらに同社の成長性を疑問視する投資家やアナリストらを納得させるだけの行動を見せていかなければならない。