スマートフォンの位置情報の誤差が大きくなる現象が5月末頃までに起きるかもしれない。情報通信研究機構(NICT)は16日、大型(Xクラス)太陽フレア現象の発生を確認し、同発表後2週間、GPSを用いた高精度測位の誤差増大が生じる恐れがあると発表した。

NICTでは、日本時間5月13日から15日までの2日間に合計4回の大型(Xクラス)太陽フレア現象の発生を確認。同現象の最大X線強度は、通常の100倍以上におよぶ大型のもので、ほぼ同時刻に、太陽フレアによって電離層に異常をきたし、短波に影響を及ぼすデリンジャー現象の発生を観測したという。

大型太陽フレアを引き起こした黒点群が約2週間かけて太陽面東端から西端に移動。この間、同黒点群が地球に対面してフレアが生じるとGPSに影響を及ぼす恐れがある

今回のようなXクラスの太陽フレアが発生した場合、地球周辺の宇宙環境や電離層、地磁気が乱れる可能性があり、GPSを用いた高度精度測位の誤差の増大などを引き起こす恐れがあるとしている。このため、スマートフォンやタブレット等のGPSにも誤差の増大を引き起こす可能性がありそうだ。