米Appleの2013年度第2四半期 (1月-3月)決算は、iPhoneとiPadが3月期の販売台数記録を更新し、売上高が前年同期比11%増の436億ドルとなったが、純利益は同18%減の95億5000万ドルだった。同社の減益決算は2003年度第3四半期 (2003年4月-6月)以来、およそ10年ぶり。粗利益率は37.5% (前年同期は47.4%)だった。

昨年の3月期にAppleは新しいiPadとApple TVの新モデルを発売し、2011年の3月期にはCDMA版のiPhone 4やiPad 2などを投入した。今年は1月に128GBモデルのiPadを発売、3月に日本でiBookstoreをオープンさせたものの、インパクトの強い新製品のない3月期だった。

増収減益となった原因は、製品別の販売台数/売上高の関係から読み取れる。

  • iPhone:販売台数3743万台 (前年同期比7%増)/ 売上高229億6000万ドル (同3%増)
  • iPad:販売台数1947万7000台 (前年同期比65%増)/ 売上高87億5000万ドル (同40%増)
  • Mac:販売台数395万2000台 (前年同期比2%減)/ 売上高54億5000万ドル (同7%増)

iPhoneとiPadは販売台数の伸びに比べて売上高の伸びが小さい。これはiPhone販売全体において低価格で提供しているiPhone 4やiPhone 4Sの比率が増え、また小型タブレットのiPad miniが好調だったためと考えられる。iPhone/iPadでは、Appleの予想以上に低価格の製品が消費者の関心を集めた。Macは昨年後半の13インチMacBook Pro RetinaディスプレイモデルやiMac新モデル投入の影響で平均単価が上昇しており、販売台数が減少したものの、売上高は増加した。ただし、CFOのPeter Oppenheimer氏によると、新iMacが好調でデスクトップ機種は伸びたものの、ノートブック機種がパソコン市場低迷の影響を受けたという。

2013年度第3四半期(4月-6月)についてOppenheimer氏は、売上高335億-355億ドル、粗利益率36-37%と予測している。これは前年同期の売上高350億2000万ドルを下回り、減収となる可能性がある数字だ。電話会見においてCEOのTim Cook氏は「今年の秋から2014年を通じて、本当にすばらしい製品群の提供を計画している」と述べた。例年通りなら、Appleは初夏に開発者会議WWDCを開催し、その場で新しいOSやプラットフォームを説明する。6月期については製品ラインナップが大きく変わる可能性は低く、それが6月期予測の慎重な数字に表れたと考えられる。