Defense Advanced Research Projects Agency

米国防総省国防高等研究計画局(DARPA)は4月10日(米国時間)、ミシガン大学で同機関の研究者らが進めている慣性計測ユニットおよびクロックユニットの開発に大きな進展があったと発表した。1辺が5mmほどのチップ上に6軸の慣性計測ユニット(3軸のジャイロセンサと3軸の加速度センサ)と高精度のマスタークロックユニットを搭載することに成功したという。時間の計測、方角の計測、加速度の計測が1チップでできるようになり、つまり同チップがあれば空間的にどの方角へどれだけ移動したかが計測できるようになる。

慣性計測ユニットとマスタークロックユニットを単一のチップ上で実装するという取り組みは、GPSが使えない状況においても移動データを正確に把握したいという目的がある。米軍は陸海空の各種移動においてGPSを活用している。GPS衛星と通信ができないなど何らかの理由でGPSが利用できなくなったからといって、ナビゲーションの正確性を落とすわけにはいかない。今回開発されたチップはこうした状況においても正確にナビゲーションを実現するためのもので、GPSと組み合わせて活用されるという。