この2、3年で特に「ソフトウェア定義ネットワーク (SDN: Software Defined Network/Networking)」という言葉が使われる機会が増えた。ネットワークの抽象度を引き上げソフトウェア経由で迅速にネットワークの設定を変更できるようにするという取り組みだ。こうした取り組みは次世代のデータセンター技術として普及が見込まれてきたが、予想していたよりも早い段階で普及することになりそうだ。Ostaticに掲載された「Clear Trend Of Data Center Abstraction Continues」は、そうした雰囲気を伝えている。

データセンターでは仮想化技術の普及が進んでいる。ストレージの仮想化およびシステムの仮想化など、さまざまなレベルで仮想化が進んでいるが、そうした取り組みに比べるとネットワークの仮想化は遅れている。ソフトウェア定義ネットワークは、ネットワーク機器そのものを集中管理し、動的に設定の変更を実施できるようにする取り組み。実現するための手法やプロトコルまで含めて現在発展段階にある。

最終的にどのような手法がデファクトスタンダードとして普及していくかはわからないが、ソフトウェア定義ネットワークの必要性が予想よりも高まっているのは間違いないようだ。モバイルコンピューティングが想定よりも早いペースで普及しており、データセンターのより迅速な強化と柔軟な運用が求められている。