計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは4月10日、MIPI Radio Frequency Front-End(RFFE)のプロトコルパケットをデコードできるソフトウェア「Agilent N8824A Infiniium用MIPI RFFEプロトコルデコードソフト」を発表した。

同ソフトウェアにより、オシロスコープ上で、RFFEインタフェースの検証やデバッグを短時間で簡単に行うことができる。RFFEは、RFフロントエンドデバイスの制御手順を定めた規格。パワーアンプ、スイッチ、パワー管理モジュール、アンテナチューナ、センサなどのデバイスが制御対象となる。RFFEは、1対多の接続でRFフロントエンドを制御できることが特徴で、1個のマスターデバイスに数十ものスレーブデバイスを接続する形態も想定される。

無線アプリケーションでは、正確なタイミング制御が必要とされる。この課題に対応するため、RFFEでは比較的高速な26MHzのバスクロックが採用された。また、厳しいタイミングが要求されるデバイスを制御できるよう、高確度のトリガ機構が採用されている。

「N8824A MIPI RFFEプロトコルデコードソフト」は、アジレントのオシロスコープ「Infiniium 9000A/9000H/90000A/90000X/90000Q」シリーズで動作する。MIPI RFFE v1.10仕様に基づいたプロトコルパケットのデコードが可能。研究開発部門の設計・検証チーム向けのソフトウェアで、初期段階のデバッグや、RFフロントエンドデバイス間のトラフィックの解析に利用できる。上記のオシロスコープと組み合わせることで、RFFE解析に必要な高確度なタイミング制御の要求にも対応可能。なお、「Infiniium 9000H」シリーズで同ソフトウェアを用いると、12ビットの垂直分解能が得られ、一般的なオシロスコープと比べてノイズを最大1/3まで低減することができるという。

価格は28万6650円(税別)。すでに販売・出荷を開始している。

RFFEのプロトコルパケットをデコードできるソフトウェア「Agilent N8824A Infiniium用MIPI RFFEプロトコルデコードソフト」の画面