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3月22日(ベルギー時間)、MultiPath TCPの実装を取り込んだLinuxカーネルで51.8 Gbit/sのTCPコネクションを実現したことが発表された。実験は2台のHP DL380p G7を、それぞれ2ポートの10GbE (Intel 82599EB 10Gb Ethernet) 3枚使って計6本で結線し、マシン間の通信をnetperfコマンドで計測するというもの。段階的に通信速度が引き上げられ、最終的に51.8 Gbit/sに到達している。
MultiPath TCPは現在策定および開発が進められている新しい仕組み。複数のパスを並列して使いながら、通常のTCPセッションで高速通信の実現を目指している。既存のインターネットインフラに大きな変更を加えることなく置き換えが可能になるように検討が進められており、次世代高速通信のひとつとして注目されている。
ハードウェア的に10GbE以上の高速通信を実現する方法はいくつかあるが、それらはコストの面で今のところ現実的なソリューションではないところがある。MultiPath TCPを活用すれば、10GbEを複数枚組み合わせることで通信の高速化を実現できる。データセンターやインターネットインフラで活用できるほか、この技術はモバイルデバイスにおける高速通信技術としても活用できる。
MultiPath TCPの開発はCisco SystemsのサポートのもとでFreeBSDでも進められており、先日最新版となるMultipath TCP for FreeBSD v0.1が公開されている。