BlackBerryは3月14日、モバイルデバイスにおいて仕事環境と個人データをセキュアに分離するソリューションを、サードパーティのモバイルプラットフォーム向けにも提供することを明らかにした。最初の製品はiOSとAndroidをサポートする「Secure Work Space」。企業や政府機関などがコストを抑えながら柔軟なBYOD (Bring Your Own Device: 自分のデバイスを持ち込む)環境を実現するソリューションになる。

Secure Work Space for iOS and Androidは、BlackBerry Enterprise Service 10で管理される。同サービスはdata-at-restやdata-in-transit向けにセキュリティ機能を拡張するアップデートがまもなく行われる予定で、それによって仕事と個人データの完全分離を提供できるようになる。Secure Work Spaceの仕事環境には、電子メール、カレンダー、コンタクト、タスク、メモ、ブラウザ、ドキュメントエディタなどのクライアントアプリケーションが含まれる。さらに追加のアプリケーションもカスタマイズすることなく、セキュアにワークスペースに追加できる。

BlackBerryは「Secure Work Spaceによって、設定や管理が面倒で費用もかかるVPNインフラストラクチャが不要になり、顧客は大きな労力と支出を省くことができる」とし、「企業や政府機関が、iOSやAndroidプラットフォーム向けにBYODポリシーをサポートするための最適な選択肢」とアピールしている。

Secure Work Spaceのクローズド・ベータテストがすでに始まっており、BlackBerryは2013年第2四半期中に一般提供について発表を行うという。現時点で価格などは明らかにしていない。5月に米フロリダ州オーランドで開催するBlackBerry Liveカンファレンスで、さらに詳しい情報を提供するという。

BlackBerryの端末はスマートフォンおよびタブレット市場で苦戦しているが、他のプラットフォームを採用しながらも、堅固なセキュリティと利便性のバランスに優れた同社のモバイルソリューションを求める企業は多い。Secure Work Space for iOS and Androidは、そうしたニーズを満たす試みとして注目される。