HD-PLCアライアンスは3月5日(米国時間)、同アライアンスが推進する電力線通信方式「HD-PLC」が、米国政府のスマートグリッドのガイドライン規格(NIST SGIP Catalog Standards)に認定されたと発表した。

米国では現在、国立標準研究所(NIST:National Institute of Standards and Technology)が、専門委員会「SGIP(Smart Grid Interoperability Panel)」を組織し、民間企業と共にIT技術とエネルギー技術が融合するスマートグリッド技術の基盤整備を進めており、SGIPでは、既存のさまざま規格をカタログ標準として認定しているほか、優先度の高い技術的課題について、優先行動計画として解決方法を審議し、勧告化を行っている。

今回のPLCに関するガイドラインでは、HD-PLCアライアンスが推進し認証を行っているIEEE 1901をカタログ標準に加え、会員企業とともに推進した「異なるPLC方式間の共存技術」を実装したほか、常に有効動作させることを必須要件として勧告化した「NIST IR 7862」も併せて認定されたという。これにより、同じ電力線上で動作するPLCを搭載したエネルギー管理システムやコンシューマ機器が、互いに妨害しあうことなく、安全に通信を行うことが可能となると同アライアンスは説明する。

なお、HD-PLC方式が準拠するIEEE 1901規格は、日本国内では、スマートコミュニティ・アライアンス(JSCA)のTTCが策定したTTC技術レポート(TR-1043)に、ホームネットワークの通信インタフェース「ECHONET Lite」として採用されているほか、中国においても、2012年末、同国標準規格団体「IGRS」と連携し推進したHD-PLC完全互換の「IGRS-PLC IF規格」が国家標準として承認されているという。