総務省は15日、所要時間0.01秒で無線LANへの接続を目指す、無線LAN高速認証技術の実証実験を、京都大学にて21日より実施すると発表した。
無線LAN高速認証技術は、スマートフォンやPCといったユーザーの使用端末が無線LANのエリアに入ってから、サービスが利用できるまでの時間を、ネットワーク設定やセキュリティ認証の手順を一括化するプロトコルの活用により、大幅に短縮させる技術。
現状では、無線LANエリアに入ってから、インターネットが利用できるまでの所要時間は約3秒。端末から接続要求が発せられてから接続開始後、無線LANの認証や鍵交換などセキュリティの確立、ネットワークの設定といった段階を経て、サービスを開始していた。
無線LAN高速認証技術では、端末からの接続要求ののち、無線LANの認証や鍵交換、設定などを一括処理。現状の約300分の1となる0.01秒で、サービスの利用開始を目指す。これにより、ユーザーはエリア内で立ち止まることなくサービスを利用できる上、接続までの時間短縮により、多数のユーザーが同時に接続できるメリットも見込めるという。
総務省では、無線LAN高速認証技術の標準化を推進する、Wi-FILS(Wireless LAN Fast Initial Link Setup)推進協議会と連携し、同技術の開発および標準化を目指す考え。