富士通は8日、大分県別府市で医療情報の電子化による医療の信頼性向上を推進している「別府 処方箋の電子化に向けた実証事業コンソーシアム」で2月より、処方せん・付帯情報・調剤情報共有サービスを開始したと発表した。

処方せんの電子化システムの仕組みと活用の全体的なイメージ

同コンソーシアムは、「処方せんの電子化実証事業」を大分県別府市で推進しており、富士通と共同で、別府市内の4医療機関と6薬局の間で、電子化した処方せん情報、処方に係る患者の診療情報などの付帯情報、調剤情報を共有し、薬剤師の服薬指導や、医師による調剤結果確認などに役立てることができる仕組み「処方せんの電子化システム」を開発。これにより、患者も自宅などから調剤情報を参照することができるようになった。

実証実験期間は2月1日から3月23日までで、2月7日より全医療機関、全薬局でサービスを提供開始している。

サービスの利用にあたっては、患者は本コンソーシアムが別府市民向けに発行する「ゆけむり医療カード(ICカード)」により医療機関・薬局での本人確認と自身の調剤情報参照ができる。また、日本医師会と日本薬剤師会の協力により、医師・薬剤師の資格確認用の認証局を活用し、権限に基づいた情報参照のための認証と情報の発行者としての電子署名ができる仕組みを実装している。

サービス内容は、参加薬局による処方せん情報、付帯情報の照会、参加医療機関による調剤情報の照会、患者の自宅などからの調剤情報の照会となっている。

同社によると、医療機関、薬局のメリットとして、医師・薬剤師の資格確認用の認証局を利用した認証を行うことにより、処方せん情報、調剤情報処方せん情報、調剤情報の適切な管理と情報共有が可能となる。薬剤師が調剤を行う際に、患者の付帯情報を照会して、適切な服薬指導を行うことができる。医師は次回の診察の際に、実際に調剤された結果を参照することにより、適切な処方を行うことができる等を挙げている。

また、患者のメリットとして、自宅のパソコンから「処方せんの電子化システム」にアクセスして、自分の調剤情報を照会することができ、調剤の記録が一括管理されているので、お薬手帳として利用することができるとしている。