英国の調査会社Trendstreamのインターネット利用実態レポート「GlobalWebIndex」によると、米GoogleのSNS「Google+」が、2012年10―12月のアクティブユーザー数で、Facebookに次いで世界第2位のソーシャルメディアとなり、着実に利用が広がっていることがわかりました。

参照:GlobalWebIndex
http://globalwebindex.net/thinking/social-platforms-gwi-8-update-decline-of-local-social-media-platforms/

こんにちは、SMMLabの藤田です。

Googleは昨年、Google+と検索エンジン、電子メールサービス「Gmail」、動画投稿サイト「YouTube」、ビジネスリスティング、携帯端末向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」などのサービスとの統合を一気に進めました。また、Gmailを利用しようとした人がGoogleのアカウントを開設すると、Google+のプロフィールページが自動的に作成されるなど、利用者のアカウント統合も進めており、新規ユーザーの獲得を積極的に推進しています。

その結果、Googleは2012年1月、同社の全サイトで2億3500万人がグーグルプラスの機能(「+1」ボタンなど)を利用したと発表しており、2012年6月末の1億5000万人から大幅に利用者を増やしています。冒頭の調査結果は、Googleサービスへの統合戦略が確実に実を結びつつあることを表していると言えるでしょう。

企業のビジネス活用としては、Google+ページがありますが、日本での普及があまり進まないことで、様子見や作ってそのままにされている場合が多いのではないでしょうか?しかし、Googleの統合戦略が加速しつつあることからも2013年はGoogle+ページ活用を見直す必要がありそうです。

そこで今回は、今知っておきたいGoogle+ページに関する3つのトピックスをご紹介します。

1.Googleローカルに見る統合の未来

米Googleは5月30日(現地時間)、レストランやショップなどの地域ビジネスの情報提供サービス「Googleプレイス」のページをGoogle+に統合しました。Google検索やGoogle Mapsで検索したお店をクリックすると、そのお店のGoogle+ページが開くようになりました。

たとえば「キタムラ」と検索すると、写真専門店カメラのキタムラが検索結果の1位に表示されるだけでなく、所在地のマップやGoogle+ページの概要が右サイドに表示されています。注目すべきはこの情報がGoogleアカウントでログインしていなくても表示されることです。

検索結果には、地図、外観、クチコミ、アクセス方法、ユーザーのクチコミなどとともに、同社が2011年に買収したレストランガイドZagatの評価も表示され、Google+ユーザーは自分のサークル内の友達が評価しているお店だけにフィルタリングすることも可能なため、情報精査のパワフルなフィルターとなるはずです。

こうした影響はGoogleローカルに限ったことでありません。人々の興味・関心に合わせて用意されている様々なGoogleサービスが今後どんどんGoogle+と統合されていくと、検索結果の持つ意味自体も大きく変わっていくことが考えられます。

2.Google検索でのGoogle+ページの重要性

Google+とGoogle検索の融合は日本でもすでに進みはじめています。Google検索で検索クエリに関連するGoogle+ページがある場合には、その画像や最新の投稿を検索結果に表示されています。

カップヌードルと検索するだけで検索結果の右側にはカップヌードルのGoogle+ページが表示され、基本情報や最新の投稿を見ることが出来るのです。また、Goole+ページのコンテンツ自体が検索対象になるため、Facebookではファンを増やし投稿を見てもらわない限り情報が拡散しないのに対して、Google+は検索経由で情報拡散の起点が作れるということです。

Googleでは今後「+」から続けてブランド名を検索させるというブランド検索「ダイレクトコネクト」を拡大していく予定であり、検索結果でGoogle+ページを上位に表示する設定もできるようになるようで、検索においてGoogle+ページの存在はますます重要になると考えられます。(「ダイレクトコネクト」は現在英語版Google.comの一部Google+ページで限定導入)また、米Googleでは既に“Search plus Your World”というパーソナライズ検索の機能強化も始まっており、人々の興味・関心を可視化する「+1(プラスワン)」ボタンが情報のフィルターとして重視されてきています。

さらに、検索連動型広告やWebサイトに表示されるディスプレイ(バナー)広告についても、「+1(プラスワン)」ボタンで閲覧した利用者が好意や賛同を示せるようになっており、その評価が広告品質にも影響するということで、Google広告の運用にも大きく影響してきそうです。Resolution MediaのAlan Osetek氏によると、Google+の情報が含まれているGoogle広告のクリック率が、2%から15%まで上昇した事例もあるそうです。

3.ソーシャルメディアマーケティングの効果測定も変わる?

GoogleAnalyticsにもソーシャルメディアの効果を測定する機能が追加されています。この機能を利用するとGoogle+をはじめとしたソーシャルメディアからの流入経路の詳細やコンバージョン率を正確に測ることが出来ます。企業は各ソーシャルメディアの効果を比較検討することが可能になったため、長らくの課題であるソーシャルメディアマーケティングの評価方法に大きな進歩をもたらしそうです。

今現在GoogleAnalyticsのソーシャル分析機能で出来ること

・ソーシャルが 大事な指標に及ぼす影響を測る
・関心の高いユーザーを呼び込んでいるソーシャルメディアを確認出来る
・サイトで最も広く共有されているコンテンツや共有に使用されているソーシャルボタンを確認出来る

参考:http://www.google.com/intl/ja_ALL/analytics/features/social.htmlv

いかがでしたでしょうか?

米Google社のブラッドリー・ホロウィッツ副社長は「Google+はすなわちGoogleだ。Google+への入り口はたくさんある。統合が日々、進んでいる」と述べており、 Google+の統合とはGoogleが持つ膨大なデータに人間関係までもが取り込まれることを意味し、情報の価値自体に大きな変化をもたらす可能性があります。

検索とウェブサイト、Googleページが統合されるとGoogle+は単なるSNSに留まらず、企業はFacebookページやTwitterではできないユーザへのアプローチができるようになるのではないでしょうか?Google+を取り巻く状況が一変する前にぜひ改めてGoogle+ページの活用を考えてみてください。

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