英Reutersの1月25日(米国時間)の報道によれば、韓国Samsung Electronicsは今年2013年の設備投資(CapEx)を前年から据え置くと発表したという。同社のCapExの据え置きは金融危機以来初のケースとのことで、PCやスマートフォン市場の停滞を警戒してのものだとみられている。

CapEx (Capital Expenditure)とは、生産設備等の主に資産として計上される不動産投資のことを指している。Reutersによれば、同社は2004年からこれまで、2009年を除いて毎年CapExを引き上げ続けるなど、市場拡大に合わせて他社に先駆ける形で積極的に設備投資を行っていたことが知られている。実際、Samsungが世界トップの座にある携帯電話市場では、2012年10~12月期だけで毎日70万台の端末が販売されるなど、業界全体のトレンド牽引役となっている。また高機能で単価の高い部品が使用されるスマートフォンにおいても、2012年は7億台市場となり、SamsungとAppleだけで市場全体の5割のシェアを占めるに至っている。毎年第1四半期はこうした端末販売が落ち込むシーズンとして知られているが、それでも携帯電話市場は成長と続けると予想されている。

だが同社は昨年第4四半期にはすでに投資ペースを弱める計画を打ち出しており、例えば2012年全体の投資額を25兆ウォンとしていたものが、同四半期の計画変更で23兆ウォンまで引き下げている。2013年もこのペースを維持することになる。これについてSamsungのIR担当であるRobert Yi氏は「2013年の投資におけるキーワードはフレキシビリティであり、市場の需要に従った結果だ」とコメントしている。つまり、市場需要の伸びに対して警戒感を抱いているわけだ。

(記事提供: AndroWire編集部)