STMicroelectronicsは、同社100%子会社のPortland Group(PGI)が「PGI Acceleratorコンパイラ」のPGI 2013リリースとしてNVIDIAのGPUアクセラレータ「Tesla K20シリーズ」の並列コンピューティング・プラットフォーム「CUDA 5.0」およびプログラミング・モデルのサポートを追加したこと、ならびにOpenACC対応のPGI Acceleratorコンパイラ技術を「Intel Xeon Phiコプロセッサ」に拡張する計画を発表した。
NVIDIA Tesla K20シリーズは、NVIDIAの次世代アーキテクチャ「Kepler」に基づいたもので、Linux、Mac OS X、Windowsプラットフォーム上で動作する。PGI 2013リリースでは、このKeplerベースのTesla GPUアクセラレータに搭載された新しい動的並列処理機能と、CUDA 5.0の分割コンパイル機能およびGPUオブジェクト・ファイル・リンク機能の使用に興味がある開発者のために、CUDA Fortran拡張機能が追加される。
一方のXeon PhiはIntelのMany Integrated Core(MIC)アーキテクチャに基づく製品シリーズ。今回のOpenACCのサポートにより、CUDA対応GPUの並列処理能力の活用のために用いられているPGI Accelerator Fortran/Cコンパイラを利用するエンジニアは、既存のコード・ベースを使用してビルド・スクリプトに小規模な変更を加えるだけで、Xeon Phiにも短期間で対応することができるようになるという。
なお、Xeon PhiコプロセッサにおけるOpenACC規格のベータ版サポートは、2013年前半のPGIリリースにおいて計画されており、最新のPGI契約を含むPGI Acceleratorライセンスがあれば、無料で利用することが可能だ。OpenACCディレクティブに対応したPGI Accelerator Fortran/C/C++コンパイラは、現在、Linux、OS X、Windowsで動作するx64+NVIDIAシステムをサポートしているほか、NVIDIAのCUDA対応GPUを搭載したすべてのIntel製プロセッサおよびAMD製x64プロセッサ・ベースのシステムでサポートされている。