Facebookは20日(米国時間)、メッセージのフィルタリング機能にオプションを追加したことを発表、また小規模グループを対象にした有料メッセージ送信のテスト開始を明らかにした。これは、つながりのない人に重要なメッセージを送るオプションとして導入を検討しているものだ。

Facebookメッセージでは、ユーザーにとって重要なメッセージが「受信箱」に、関連性の低いメッセージは「その他」に振り分けられる。その分類に「基本フィルタ」(推奨設定)と「厳密なフィルタ」を選択できるようになった。厳密なフィルターでは受信箱に届くメッセージが友達からのものに限られ、基本フィルタでは知り合いかもしれない人からのメッセージも届く。

メッセージのフィルタリングにオプション

有料メッセージ送信のテストは、重要なメッセージを届けるためのツールとしてメッセージの価値を高める試みだ。現在Facebookは重要なメールやスパムの判別に、2つのシグナルを用いている。1つは「ソーシャル」。直接的なつながりの強さを基準に、友だちなど親しい人からのメッセージは受信箱に入れる。もう1つは「アルゴリズム」だ。Facebook上の様々な人のつながり(友達の友達、知り合いかもしれない人など)を分析し、ソーシャルグラフの幅広い信号からアルゴリズムによってスパムを見分ける。

メッセージ送信への課金は「経済」という第3のシグナルになり得る。有料メッセージは、スパムでなければ、つながりのない人へのメッセージでも受信箱に届けられる。例えば、求人している会社への売り込み、カンファレンスで興味を持った講演者に仕事の話を持ちかける時などに利用できる。見知らぬ人からのメッセージであっても、有料メッセージなら受け取った人も大切な内容であると判断できる。

メッセージ送信の有料化は、これまでたくさんの研究者が有効なスパム対策になると指摘していた。Facebookにとっては「ソーシャル」や「アルゴリズム」では見分けられない重要なメールをすくい上げられるというメリットがある。ただしFacebookのようなクローズドなサービスでは、有料化がユーザー離れにつながる可能性もある。価格と効果のバランスが成否を左右することになる。Wall Street Journalなどの報道によると、Facebookは現在1通1ドルでテストしながら、ユーザーの反応を確かめているという。