カルピスは12月11日、自社で保有する乳酸菌「Lactobacillus helveticus(ラクトバチルス・ヘルベティカス)」で発酵させて作った乳酸菌飲料(殺菌)の飲用が記憶力・集中力の改善作用を持つことを確認したと発表した。
同成果は同社発酵応用研究所と中部大学 応用生物学部の横越英彦 教授との共同研究によるもので、詳細は12月2日~6日にかけて米国ハワイにて行われた「2012年 国際機能性食品学会(ISNFF 2012)」で発表された。
同成果は同社が1970年代より行ってきた、ラクトバチルス・ヘルベティカスを発酵して作った発酵乳「カルピス酸乳(カルピス製造工程で作られる一次発酵乳)」の機能性研究の一環で、これまでに"記憶障害の予防"および"記憶力の向上"効果などがあることが確認されてきた。今回の研究は、この記憶力向上作用に着目したもので、同発酵乳を用いて作った乳酸菌飲料(殺菌)を8週間飲用した際のヒトの高次脳機能への影響を評価したというものとなっている。
試験方法は、もの忘れを自覚する45歳から70歳の男女20人(平均年齢50.9歳)に乳酸菌飲料(殺菌)を飲用させ、8週間後にアーバンス神経心理テストを用いて、「即時記憶」、「空間認知」、「言語」、「集中力」、「短期記憶」について評価を行った。
この結果、乳酸菌飲料(殺菌)200mlを1日1回朝食前に8週間飲用させた場合、飲まなかった場合に比べ「総合点」、「言語」、「集中力」、「短期記憶」の4つが飲用前に比べて有意に改善することが明らかとなった。
なお同社では今後も研究を推進し、関連するエビデンスを積み上げていく方針としている。