日立ソリューションズは10日、大規模ファイルサーバーやBCP(事業継続計画)に対応する機能を強化した「MEANS ファイルサーバスリム化ソリューション」の最新版を発表し、14日から販売を開始する。

高速ファイルコピー機能のイメージ

同社では、ユーザーに不要ファイルの削除を促すことでファイルサーバーの使用容量を制御したり、設定した条件でファイルを物理的に分類したりすることでバックアップ作業の効率化を図る「MEANS ファイルサーバスリム化ソリューション」を提供してきた。

今回発売となる、新製品で3,000万ファイルレベルの大規模ファイルサーバーでもアクセス履歴などに応じてファイルを高速で自動移動する「MEANS自動スリム化運用オプション 拡張版」や、必要なファイルを遠隔地の災害対策用のサーバーにレプリケーションすることを支援する「高速ファイルコピー機能」などを追加した。

大規模環境でもファイルを高速で自動移動する「MEANS自動スリム化運用オプション 拡張版」は、元のフォルダにショートカットを残し、あまり使わないファイルを2次ディスクに自動的に移動する「MEANS自動スリム化運用オプション」を、内部処理の多重化によって処理速度を高速化し、3,000万ファイル相当の大規模環境に対応した。

同社の試行によると、「MEANS自動スリム化運用オプション 拡張版」は従来の「MEANS自動スリム化運用オプション」より、ファイルの移動時間を約6分の1まで短縮することが可能で、日次バックアップや週次バックアップの対象となる最近使ったファイルだけをファイルサーバーに残せるようになり、バックアップの保存にかかる時間の短縮(従来、16万ファイルの移動に74時間かかっていたところを12時間まで短縮)など、運用負荷の軽減を図れる。

必要なファイルだけを遠隔サーバーにレプリケーションすることを支援する「高速ファイルコピー機能」では、指定期間以内にアクセスされたファイルを指定フォルダにコピーする「高速ファイルコピー機能」を標準で提供。これにより、レプリケーションの対象となるファイルを高速に収集することが可能となり、ストレージの運用機能を利用した遠隔サーバーへのレプリケーションのコスト効率を向上する。

同社は、従来からの「MEANS ファイルサーバスリム化ソリューション」の機能で不要なファイルを削除するとともに、「高速ファイルコピー機能」でアクセスや更新の履歴を基にさらなる絞込みをした上で、必要最小限のファイルだけを指定フォルダに高速にコピーする機能を提供する。これによって、ユーザーはフォルダ構成を維持した状態で必要最小限のファイルを収集することができ、これを災害対策用の遠隔サーバーにレプリケーションすることでコスト効率を向上できる。

また、NRIセキュアテクノロジーズ(以下、NRIセキュア)が提供する情報資産の識別・整理ソリューション「SecureCube / Labeling」と連携し、「SecureCube / Labeling」がOfficeファイルやpdfファイルに設定したファイルのセキュリティ重要度や保管期限などのラベル情報を収集する「ユーザ設定プロパティ取得機能」も追加した。これにより、各ファイル保存時に、保管期限や文書の重要度などのラベルを強制的に付与することで、保管期限を満了したファイル削除の徹底や、文書の重要度別の仮想的な表示を行う。

MEANS ファイルサーバスリム化ソリューションの価格は、「200万ファイルまで」が115万5千円から。今回追加された、MEANS自動スリム化運用オプション 拡張版は、52万5千円。

日立ソリューションズは、自社の大規模ファイルサーバーの運用において必要な機能やノウハウを「MEANS自動スリム化運用オプション 拡張版」や「高速ファイルコピー機能」として盛り込み、11月より試行運用を開始。今後も必要な機能の検証を重ねながら改良を進め、ファイルサーバーの運用・管理の負荷軽減とファイルサーバーの有効活用を支援していく。