Texas Instruments(TI)は、同社のアナログ・フロント・エンドファミリ(AFE)「ADS1298ファミリ」としてバッテリ電源型ポータブル心電計(ECG)ソリューション、ホルター心電計、ワイヤレス患者モニタ機器などの生体電位計測アプリケーション向け24ビット3チャネル品「ADS1293」を発表した。

同製品は、1個のAFEで1誘導から5誘導までをサポート した製品で、個々のチャネルでデジタルECG信号とペース信号を同時に提供することから、ペース信号専用チャネルを不要にし、消費電力を低減することが可能。そのため、消費電力は他の集積型ソリューション比で85%減となるチャネルあたり300μWを実現している。

また、1本のアラーム・ピンを備えた包括的なエラー検出機能を内蔵しており、エラー状態に対するコントローラの継続的なポーリングを不要にできるほか、すべての機能ブロックで、非動作時に独立したシャットダウンが可能となっている。

さらに同社は同製品と合わせて、WEBENCHオンライン設計ツール・ファミリのラインアップ拡充として、「WEBENCH Medical AFE Designer」を発表している。同ツールは、AFEのオンライン設計と回路構成を可能にするもので、ADS1293を使用することで製品設計を行う際も、設計の簡素化と迅速化を実現できるようになると説明している。

なお、ADS1293はすでに5mm角のQFNパッケージで供給中で、1000個受注時の単価は5.50ドル(参考価格)としている。

TIのAFE「ADS1293」のパッケージイメージ