Googleは11月30日、「Googleウェブマスター向け公式ブログ」に、WebテストとGoogle検索に関する記事を公開した。記事では、A/Bテストや多変量テストといったWebテストを行う際に、Google検索結果に与える影響を少なくするための方法が紹介されている。
一般的にWebテストは、実際のWebサイトを利用して行われ、いくつかのWebサイトパターンに対するユーザーの反応をデータとして収集する。これにより、どのパターンが、最も商品の購入やメールの購読登録などに結びつきやすいかを知ることができる。
A/Bテストは、固有のURLを持つ複数のパターンのページを使用して、テストが行われる場合が多い。ユーザーがオリジナルURLにアクセスすると、リダイレクトによって異なるパターンを持つページに振り分けられ、ユーザーの行動履歴を比較して最も効果的なページを調べるという仕組みとなっている。
多変量テストは、ページを表示する際にWebサイトのいくつかのセクションを変更する方法で、それぞれのセクションのすべてのバージョンの組み合わせをチェックし、最適な組み合わせを探すというもの。多変量テストではURLはひとつで、各パターンは動的にページに挿入される。
記事では、WebテストがGoogle検索結果に与える影響を最小限にとどめるためのポイントとして、「クローキングをしない」「rel="canonical"を使う」「301ではなく、302を使う」「テスト期間は必要な期間だけにする」の4点が紹介されている。
クローキングとは、ユーザー向けとGooglebot向けとで別々のコンテンツを表示する行為のことで、これはウェブマスター向けガイドラインに違反するため、検索結果の掲載順位が下がる可能性がある。テストとはいえ、Googlebotだけを特定のページへ切り替えるといった処理は行わない方がよい。
また、複数のURLを用いたA/Bテストを行っている場合は、各パターンのURLにリンク属性「rel="canonical"」を使用して、優先すべきオリジナルURLを示すことが推奨されている。「rel="canonical"」を使うことで、テスト実施の状況を検索エンジン側に適切に伝えられる。
また、A/BテストでユーザーをオリジナルのURLからテスト用の複数パターンのURLにリダイレクトしている場合は、301(永続的)リダイレクトではなく、302(一時的)リダイレクトを使うといいという。302リダイレクトを使うことで、検索エンジンはリダイレクトがテスト期間中の一時的なものであると判断し、オリジナルのURLをインデックスに保持するという。
このほか、必要以上に長くテストを行っているWebサイトは、検索エンジンを欺いているとみなされ、ウェブマスター向けガイドライン違反と判断される可能性があるため、テストは必要な期間だけ実施するようにした方がいいと説明されている。