Texas Instruments(TI)は、複雑なモーター制御設計を緩和するモーター制御ソリューションとして、機能統合を進めたPiccoloシリーズマイコン「F2805x」、ならびにモーター制御ソフトウェア、特定アプリケーション向けの開発ツール群などを発表した。

同マイコンは、DSPコア「TMS320C28x」や、C言語でプログラミング可能な32ビット浮動小数点演算アクセラレータ「CLA(制御補償器アクセラレータ)」をオンチップに統合しており、CLAがCPUコアと独立して動作するよう設計されているため、短時間での制御が求められる制御アルゴリズムや、DSP処理などによるCPU負荷を軽減させることが可能で、CPUをほかの処理にまわすことで、各種のクローズド・ループ・アプリケーションにおいて最大5倍の性能を実現することが可能になるという。

また最大128KBのフラッシュおよび、最大20KBのSRAMを搭載しているほか、デバイス全体または、複数ソースのソフトウェア開発向けに、ブートROMおよび、フラッシュならびにROMの保護ゾーン向けの128ビットのデュアル・セキュリティ・キーによるコードの安全性確保も可能となっている。

さらに、 SPIモジュール、I2Cバス、CAN 2.0および、3個のSCI/UARTモジュールが、リアルタイム通信向けのコネクティビティを向上することが可能なほか、2個のサンプル・ホールドを備えた最大2.3MSPSの12ビットA/Dコンバータ、フォールト・マネージメント機能付きの14チャネルのePWM(エンハンスド・パルス幅変調)回路、最大4個のPGA(プログラマブル・ゲイン・アンプ)、10ビットのD/Aコンバータ付きのアナログ・ウィンドウ・コンパレータ7本、外部ピンを使用しない2系統のクロック信号源、電圧レギュレータ、センサ付きモーター制御向け32ビットeCAP(拡張入力キャプチャ)モジュール/eQEP(拡張直交エンコーダ・パルス)モジュールなどのアナログ機能を統合することによるシステム効率の向上ならびにBOMコストの低減を可能としている。

なお、同製品はすでに量産出荷を開始しており、1,000個受注時の単価(参考価格)は3.25ドルからとなっている。