Nokiaは11月13日(米国時間)、米サンフランシスコにおいてロケーションおよびマッピング・サービスの新ブランド「HERE」を発表した。すでにHERE.comが利用可能になっている (日本語には対応していない)。今後、iOSデバイス向けにHEREアプリをリリースし、Firefox OSにモバイルWebアプリを提供するなど、Nokiaの端末に限らず、幅広いデバイスに同社のマップ/ロケーション・サービスのユーザー体験を広げる。「HEREを通じて、われわれが20年間で積み重ねてきたロケーション技術を新たなデバイスやOSにも拡大し、Nokia以外のユーザーにも提供する。その結果、さらに多くの人たちがわれわれのマッピングとロケーション・サービスを活用し、そして(プラットフォームの改善・強化に)貢献してくれるだろう」とCEOのStephen Elop氏。同社はHEREを"初のロケーションクラウド"とアピールしている。

HERE.com

拡大戦略は、まずiOSデバイス向けにHEREブランドの無料マップアプリを提供する。HTML5ベースで、オフライン機能、歩行者向けの音声ナビ、公共交通機関案内などの機能を備える。数週間中にApp Storeでの配信が始まる見通しだという。

搭載端末が来年登場する予定のFirefox OSについてMozillaと戦略的提携で合意し、Firefox OSユーザーに新たなロケーションサービス体験を提供するための取り組みを行う。NokiaはFirefox OSの正式版でモバイルWebバージョンのHERE Mapsをデビューさせる計画だという。

Androidには、2013年前半にAndroid OEM向けにHERE SDK for Androidを提供する。

サンフランシスコでのイベントではHEREの他にも、米earthmine (本拠: カリフォルニア州バークレー)を買収する計画と、「LiveSight」という新テクノロジを発表した。

earthmineは3Dパノラマで現実世界をキャプチャしてインデックス化する技術を持っており、買収後は同社の技術をHEREの3Dマップ作成に取り込むという。順調に進めば年内に買収が完了する。

LiveSightは精度の高い3DマップをベースにしたAR (拡張現実)テクノロジである。NokiaのLumia端末向けに開発されたNokia City Lensが最初のLiveSight対応アプリになるという。