NECは11月9日、11月11日にオープンした新山梨県立図書館の図書館システムを構築したことを発表した。同システムは、RFID(無線ICタグ)やクラウドサービスなどのソリューションを取り入れたものとなっている。

今回同社が構築した図書館システムは、RFIDの全面的な活用や、蔵書検索端末「おくだけサーチ」の導入が特徴となっている。新山梨県立図書館では所蔵資料約80万点にRFIDを貼付し、貸出管理や蔵書の点検などの業務の効率化をはかるという。

おくだけサーチはRFIDと連携した検索端末。本を端末にセットするだけで、表紙画像やタイトルなどの図書情報や、図書館内にある関連本を調べられる。また、画面にタッチして新着図書の情報を見ることもできる。従来の蔵書検索システムは、検索したい本のタイトル名や著者名が明確でないと活用が難しかったが、おくだけサーチでは、タイトル名や著書名が不明確な場合でも関連図書をもとに探すことが可能になる。

なお、おくだけサーチは新山梨県立図書館における検索システムの呼称で、同社はこの蔵書検索システムを「HS検索システム」という名称で販売している。

おくだけサーチのイメージ

このほか、新山梨県立図書館では電子書籍の貸出サービスも開始する。電子書籍はインターネットを通じて検索・貸出が行え、自宅のPCなどから利用できる。また、館内でもPCやNEC製のタブレット型端末で貸出や閲覧が行える環境を提供するという。

なお、同図書館の自動貸出機などの端末は住基カードの認証に対応しており、図書館カードがなくても住基カードで本を借りれるようになっている。