Symmetra PX 250/500kW

シュナイダーエレクトリックは11月8日、同社のモジュール型UPS「Symmetra PX」シリーズで最大容量となる「Symmetra PX 250/500kW」を12月25日より販売すると発表した。グローバルではすでに展開している製品だが、国内メーカ製バッテリの採用や火災予防条例(FMR)に対応した日本仕様として提供される。

Symmetra PX 250/500kWは、25kW単位で拡張可能な超高効率のパワーモジュール、ホットスワップで拡張できる長寿命のバッテリーモジュール、10インチのLCDタッチパネルディスプレイ、側面に配置された分電機能とUPSを分離する保守バイパスなどから構成されるモジュール型のUPS(無停電電源装置)ユニット。

データセンター向けの製品として、センター内のIT機器と同列に配置することが可能なほか、オプションのバッテリ・サイド・カーを使用してバッテリ・フレームを離れた場所に設置もでき、レイアウトに合わせて柔軟に対応できるようになっている。また、4台を並列運転させることで最大2MW(N+1冗長で1.5MW)にまで拡張可能となっている。

パワー・フレームは25kW単位のパワーモジュールの構成で、柔軟性とN+xの冗長構成を実現。バッテリ・フレームはランタイムに応じて8台まで拡張でき、搭載するバッテリーモジュールを標準化することでTCOも削減する。

Symmetra PX250/500kWの特徴

出力容量によるシステム構成とランタイム例

I/Oフレームは二系統の電源入力で可用性を向上させており、LCDによるGUI管理画面を備える。内部では、全体を管理するインテリジェンスモジュールも二重化している。

シュナイダーエレクトリック
代表取締役社長
アルノ・モンディ氏

同日行われた説明会でシュナイダーエレクトリック 代表取締役社長 アルノ・モンディ氏は「(シュナイダーエレクトリックは)エネルギーマネジメントグローバルスペシャリストとして、関与するマーケットにおいて30%以上のエネルギー削減効果を可能としている。単相UPS市場では、グローバルでも国内でもトップシェアを獲得している。大きく成長するデータセンター事業はグローバルではトップシェアだが、国内でもトップとなれるように投資をし、力を入れて伸ばしていく」と述べた。

同社の単相UPSとデータセンター市場の規模と成長率

国内データセンタ市場においてもトップシェアを目指すと述べた

シュナイダーエレクトリック
ITビジネス 三相UPS・PDU担当ディレクター
ピーター・シャンペン氏

また、シュナイダーエレクトリック ITビジネス 三相UPS・PDU担当ディレクター ピーター・シャンペン氏は、増大するエネルギー需要やクリティカルパワーといった課題において、「Symmetra PXはこのような課題に対して、モジュール性・高い高可用性を実現した冗長性・フレキシブルな拡張性・TCOを削減する高効率といったメリットで解決できる」とした。Symmetra PX250/500kWについては、「UPSプラットフォームとして、500kW超セグメントでクリティカルなニーズを持っている顧客にとって最良のソリューションと確信している」と国内販売への意欲を示した。

Symmetra PX250/500kWの設計メリット

Symmetra PX250/500kW実績

この日は、2011年11月に北海道・石狩市にデータセンターを開業したさくらインターネットから、同社 基盤戦略部 ファシリティチーム リーダー 花清 真氏も登壇。石狩データセンターにSymmetra PX(Symmetra PX 160kVA)を導入した経緯などを踏まえ、発売が開始されるSymmetra PX250/500kWについて、「大容量化によるkWあたりのコストダウン、同じく大容量化によってラックへの配電をより柔軟に設計が可能になるとともに、バッテリ分離なども含めたフレキシブルな設置の実現に期待している。また、操作パネルのLCD化・ビジュアル化によって操作ミスも減らせるのではないか」などをユーザーサイドからの期待として語った。