ソーシャルゲームの安心・安全な利用環境の整備を目指した業界団体、ソーシャルメディア協会「JASGA(Japan Social Game Association)」が8日、発足した。同協会では自主規制等のガイドラインの作成、青少年への啓発活動などの取り組みを通じて、健全な利用環境を構築していく。

写真左から中村伊知哉事務局長(慶応義塾大学大学院教授)、田中良和共同会長・代表理事(グリー代表)、堀部政男準備委員会座長(一橋大学名誉教授)

同協会は、NHN Japan、グリー、サイバーエージェント、DeNA、ドワンゴ、ミクシィがことし3月に設置した「6社連絡協議会」を前身とし、コンピュータエンターテインメント協会など関連団体および関連事業者約50社の賛同を得て設立された団体。6社連絡協議会では、ソーシャルゲームにおける「リアルマネートレード対策の強化」「青少年ユーザーの利用限度額の設定」「コンプリートガチャガイドラインの策定」などに取り組んできたが、「ソーシャルゲームが急拡大するなかで、安心・安全な利用環境の整備が求められ、業界全体での対応が必要になっている」(中村伊知哉事務局長)ことから新たに設立された。

同協会の活動内容の柱は以下の3つ。「ソーシャルゲームに対する自主規制」「青少年等に対する啓発」「カスタマーサポート品質の向上」に重点的に取り組んでいく。

ソーシャルゲームに対する自主規制については、プラットフォーム事業者に対する書類の審査、ソーシャルゲームのパトロールやユーザーからの情報提供にもとづいた対応を実施することで、利用環境を向上させる。

青少年等に対する啓発では、各種シンポジウムや啓発イベントへの参加などを通じて、ソーシャルゲームの安心で安全な使い方ほか、青少年等に対する情報モラルの向上に向けた活動を積極的に行っていく。

ソーシャルゲーム業界に関するユーザーの意見について各社のカスタマーサポート窓口が連携し、カスタマーサポートの品質向上に向けた活動を業界全体で進める。

今後の取り組みとしては、12月に同協会の自主規制等のガイドラインを作成し、プラットフォーム審査基準を策定。年明けにはプラットフォームの審査業務、パトロール業務をスタートさせ、年度内に情報提供の受付業務や啓発業務などを進め、全業務を稼動させる方針。

記者会見に臨んだ田中良和共同会長・代表理事は「様々な利用環境の向上に関しての批判やご意見を頂戴しており、そのことに真摯に対応していきたい」とし、さらに「大きな枠組みを作って、業界が一丸となって問題に継続的に取り組んでいく必要があると感じている」と述べた。

(記事提供: AndroWire編集部)