富士ゼロックスは10月29日、医療現場で発生する紙や電子のあらゆる診療記録の統合管理を可能にするソフトウェア「Apeos PEMaster ProRecord Medical 1.1(アペオス ピーイーマスター プロレコード メディカル 1.1)」の販売を開始すると発表した。

「診療記録統合管理ソリューション」全体概要と「Apeos PEMaster ProRecord Medical 1.1」の提供範囲

このソフトは、ドキュメントをベースとした診療記録管理のコンセプト「Document Archiving and Communication System(以下、DACS)」を実現する「診療記録統合管理ソリューション」のプラットフォームとなっている。これにより、病院内に散在する多種多様な診療記録を汎用的なドキュメント形式で統合管理し、患者の全診療履歴を迅速に確認したり関係者で共有したいという医療現場のニーズに応え、記録管理業務の生産性向上や説明責任への対応など、病院経営の課題解決に貢献する。

「Apeos PEMaster ProRecord Medical 1.1」は、前バージョンを導入済みの病院からの意見、要望を反映し、大量な診療記録を処理する際のスピードを改善したほか、「マトリックスビュー」や「ツリービュー」、「フォーカスビュー」などの機能を新たに追加した。

「マトリックスビュー」は、患者がどの診療科を受診し、どのような治療や手術を受け、その後の検査や容態がどうなっているかなどの全診療履歴を時系列で見ることができる。

「ツリービュー」は、診療科別、日付別、文書種別など、目的の文書をツリー構造に沿って紹介状や報告書などを検索。

「フォーカスビュー」は、診療記録と検査レポートを見比べたり、退院時サマリーを見ながら詳細レポートを確認するなど、複数の文書を並べて確認することができる。

従来はこれらのビューアーを顧客との個別契約で提供していたが、本バージョンから標準で提供する。

マトリックスビュー

また、同社独自の「仮想プリンター」技術で、電子カルテや各検査システムなどの記録をドキュメント形式で保存する際、DocuWorks文書での保存に加え、病院のニーズに合わせてPDF文書での保存が可能になった。いずれの保存形式を選択した場合も厚生労働省のガイドラインに示された電子保存に関する要件を満たした状態で記録を長期間安全に保存し、閲覧できる。

利用料金(税別)は、施設規模(300床クラス)で1,400万円、保守料金(1年間)が 210万円から。別途ハードウェア、コンサルティング、システム構築費用が必要(別途見積り)。