サイバー・コミュニケーションズは10月16日、ニューロテクノロジーなどを活用したインターネット広告に関する自主調査の結果を発表した。同調査では、リッチメディア広告の広告効果が非常に高いことや、広告サイズの拡大が好感度アップにつながること、Webサイトと広告のコンテンツマッチングの重要性などが確認できたという。
同社は、インターネット広告は効果が可視化できるといわれてきたが、広告を見た人の感情が計測されることはほとんどなかったとし、感情の定量的な把握を目的として今回の調査を実施している。調査期間は6月16日~18日で、サンプル数は20人となっている。調査方法には、脳波や皮膚反応、視覚データを分析するニューロテクノロジーが用いられている。
同調査では、リッチメディア広告の効果を調べるために、被験者を2つのグループに分け、各々にリッチメディア広告と通常のFlash広告を見せて、効果の違いを分析している。その結果、リッチメディア広告は通常のFlash広告よりも高い好感度を与えるという結果になったとしている。また、リッチメディア広告は興味喚起効果や記憶への影響度も高く、認知拡大や心理変容に大きく寄与することがうかがえる。
リッチメディア広告と通常の広告のイメージ |
リッチメディア広告効果調査 脳波データ(発表資料より)。円グラフの赤い部分はHigh Engagement(高い好感度)、青い部分はLow Engagement(低い好感度)を表す。リッチメディア広告の円グラフは赤い部分が多く、広告注視時の好感度が高いことがわかる |
リッチメディア広告効果調査 記憶への影響度と興味喚起度の差(発表資料より) |
バナーサイズによる効果の違いを調べた調査では、バナー接触時の好感度に関して、サイズの差以上の効果が見られた。サイズが2倍のバナー広告へは、好感度で3倍の効果が出ている。なお、バナーサイズが変わっても、記憶への影響度と興味喚起度にはほとんど差が表れなかった。
バナーサイズ(シングル / ダブル)のイメージ |
バナーサイズ調査 脳波データ(発表資料より)。赤枠部分を見ると、ダブルのHigh Engagementの割合が3倍になっている |
バナーサイズ調査 記憶への影響度と興味喚起度の差(発表資料より) |
広告とWebサイトのマッチングについて調べた調査では、広告とWebサイトがマッチしていない場合、ユーザーが違和感を覚えることが確認できる結果になっている。同調査では、男性グループに対しては、男性向けと女性向けのWebサイトで男性向け広告を表示し、女性グループには、女性向けと男性向けのWebサイトで女性向け広告を表示して、それぞれの効果の違いを分析している。