Broadcomは、エンタープライズおよび中小規模事業者(SMB)ネットワーク向けに802.11ac(5G Wi-Fi)を実現するSoC「StrataGX」シリーズ5品種を発表した。

ネットワークサービスへの要求は日々高まっており、5G Wi-Fiの採用が拡大するにつれ、エンタープライズやSMBのネットワークに性能や容量、信頼性の向上が求められている。「StrataGX」シリーズは、5G Wi-Fiが実現するギガビット級のワイヤレスレートを達成するための中核的機能を果たすネットワークチップで、統合機能によって、従来製品に比べ高い性能と拡張性が提供され、VoIPプロトコルやビデオ通話などの音声およびビデオアプリケーションでは、現行の10倍の速度で同時ストリーミングが可能になるほか、消費電力の40%削減を実現する。

今回の「StrataGX」シリーズの新製品は、高性能プロセッサ、ギガビットイーサネット(GbE)スイッチ、GbE物理層トランシーバ(PHY)、USB 3.0、トラフィックアクセラレータを1チップに統合した。また、拡大するマルチメディア配信向けの需要にも対応できるよう、キャッシュサイズをこれまでの2倍に拡大させた他、デジタル信号処理ユニットとマルチメディアエンジンをコアに統合し、エンタープライズネットワーク全体の無線帯域幅や高CPUへの要求に対応する。

一方で、ワイヤレスネットワークへの依存度が高まるとともにビデオ消費量が急増し、使用される無線機器の数が増加するなど、従来の802.11a/b/g/nネットワークにかかる負荷は拡大している。5G Wi-Fiはこうした課題に対応し、モバイルデバイス間でのデジタルコンテンツのストリーミングを高速化し、エンタープライズネットワークにおいてより多くのワイヤレスデバイスの同時接続を可能にするとともにバッテリー消費を抑えている。

「StrataGX」の全製品は同社の5G Wi-Fiソリューション「BCM43460」に対応し、エンタープライズおよびキャリアクラスアクセスポイント、ブランチオフィスルーター、ビジネスクラスの統合サービスルーターなどに最適となっている。

なお新製品となる「BCM53014/53015/53016/53017/53018」の5品種は、現在サンプル出荷中で、量産開始は2013年上半期の予定。