ALBERTは9月26日、リコーが提供する「Clickable Paperサービス」を応用し、カタログやチラシ、ポスターなどの印刷物からユーザーをWebページに誘導して最適な情報を提示するCRMソリューションの提供を開始すると発表した。

ALBERTでは「Clickable Paperサービス」を活用したCRMソリューションの企画から、スマートフォンアプリケーションの開発、システムの運用と効果検証までを一貫して請け負うサービスを独自のCRMソリューション「smaritcA!プリントメディア」の一部として提供する。

「smarticA!プリントメディア」

同サービスは、米シリコンバレーにあるRicoh Innovationsで開発されたリコービジュアルサーチ(RVS)技術を活用し、スマートフォンで印刷物を撮影するだけでその撮影箇所を瞬時に特定、任意のWebページにリンクさせることができるもの。この技術の特徴は、印刷物に二次元バーコードなどの特殊な識別子を印字せずとも、撮影された画像がデータベースに格納された「どの印刷物の、どの部分なのか」を瞬時に判断し、任意のWebページにアクセスさせることができるという点にある。

ALBERTはこれまで様々な企業に対しCRMソリューションを提供する中で、「オンラインとオフラインをシームレスに繋ぐ接客を実現したい」というニーズが増えていることを受け、どのようにそれを実現するかの研究を重ねてきた。すでに実用化されている二次元バーコードやOMR技術を活用することも検討してきたが、いずれも紙媒体側に特殊な印刷を施さなければならないため、印刷プロセスの複雑化やコストアップに繋がるという問題があり、また、これらの技術では「既に印刷された紙媒体を活用することができない」という根本的な問題が存在した。その点、「Clickable Paperサービス」は、印刷物側に全く手を加えることなく、カメラで撮影するだけであらゆる紙媒体と任意のWebページを繋ぐことができるという利点があり、オフラインとオンラインを繋ぐCRMに劇的な変化をもたらすとしている。

例えばカタログ通販において、手元のカタログをユーザーが撮影すると、その商品の詳細情報やモデル動画などをスマートフォンで確認でき、その場でEコマースを利用して購入するといった利用方法が考えられる。他にも、スーパーの店頭で食品のパッケージを撮影するとレシピや生産者情報が見られたり、映画のポスターを駅で撮影するとCM動画やチケット情報が見られたりと、オフラインとオンラインを繋ぐCRMの可能性がより広がっていくという。