ロームグループのラピスセミコンダクタは9月25日、多直列セル構成のLi-ionバッテリーパックを搭載するシステム向けに、5~16セルリチウムイオンバッテリーパックの制御、保護が可能なLSIチップセット「MK5238」を開発したことを発表した。

同製品は、バッテリーパックの情報を収集し制御するためのアナログフロントエンドLSI「ML5238」と、アナログフロントエンドLSIをモニタし制御するためのマイクロコントローラLSI「ML610Q486P」から構成される。

80V高耐圧製造プロセスの採用により、最大16セルまでのリチウムイオンバッテリーパックに対応しながらも、動作時の消費電流は従来同等、またパワーダウン時の消費電流もほぼゼロに近く抑えており、長期保管時のバッテリーパックへの負担を低減することに成功している。

また、セルバランス用には100mA対応のセルバランススイッチを内蔵。セルバランスのための外部回路を不要としており、低コストなシステムを構築することが可能だ。さらに、外部LEDを5個まで駆動でき、バッテリー残量表示機能を容易に構成することができるとともに温度計を接続して最大8カ所の温度をモニタすることができ、より安全なシステムを構築することができる。

加えて、セルごとの電圧を高精度で測定することが可能で、電圧測定/検出精度は±10mV(typ.値)となっているほか、充放電制御用FETのゲート端子を直接駆動できるため追加のドライバICが不要という特長も有している。

なお、ML5238はラピスセミコンダクタ宮崎、ML610Q486Pはラピスセミコンダクタ宮城で、それぞれ2013年2月から量産出荷を開始する予定。サンプル出荷はすでに開始しており、サンプル価格は700円(税別)となっている。

MK5238のブロック図