村田製作所は9月18日、世界最小クラスとなる3.2mm×3.2mm×0.7mmサイズのHF帯RFIDタグ「LXMS33HCNG-134」の量産を開始すると発表した。

RFIDは、ID情報を埋め込んだICタグから、近距離無線通信によって情報をやりとりする技術全般を指す。最近では、鉄道の乗車カードや電子マネーなど非接触ICカードに利用されるようになっており、同社でも2008年にRFID用デバイス「マジックストラップ」を商品化し、工場の工程管理などに使用してきた。

通常、RFID用デバイスはICタグとアンテナが必要であり、中でも、HF帯は低周波帯を使用することからアンテナサイズが大きくなることから、小型化には限界があると言われていた。そこで、同社では多層基板技術ならびに高周波モジュール技術を応用し、セラミック基板内部にアンテナを構成することで、平面で構成するのに比べて1/10に小型化することに成功した。また、同製品はセラミックモジュール構造を用いているため、高い耐環境性能を有し、様々な環境下での安定的な動作が可能になったという。

特長は以下の通り

  • HF帯RFIDタグでは世界最小
  • あらゆる物体への取り付けが可能
  • アンテナ設計が不要なため取り扱いが容易
  • 高い耐環境性能 (高温、高湿)
  • ISO15963規格に準拠、同規格対応のリーダライタによる内部メモリからの読み込み・書き込みが可能
  • NXP SemiconductorsのIC「ICODE SLIx」を使用

なお、サンプル価格は100円。2012年10月より福井村田製作所にて月産100万個体制で量産を開始する。

世界最小クラスとなる3.2mm角のHF帯RFIDタグ「LXMS33HCNG-134」