シマンテックはこのほど、「シマンテックインテリジェンス月次レポート」の7月号を公開した。同レポートでは、2012年1月~7月までのデータの解析結果をもとにサイバーセキュリティの脅威や傾向が分析されている。

レポートによると、7月における世界全体のメールトラフィックに占めるスパムの割合は前月比0.8%増の67.6%で、メール1.48通に1通の割合となっている。7月に最もスパムの被害を受けた国はサウジアラビアで、スパムの割合を示すスパムレートは79.0%。以下、ハンガリーのスパムレートが76.2%、オマーン72.8%、中国72.5%などと続く。米国は67.7%、カナダは67.9%で、日本は64.1%だったという。

最もスパムの被害を受けた業種は教育業界で、スパムレートは70.3%。その他、自動車業界は69.0%、化学 / 製薬業界は67.9%、ITサービス業界と小売業界は67.7%、公共機関は68.8%、金融業界は67.2%となっている。また、中小企業(従業員数250人以下)のスパムレートは67.8%、大企業(従業員数2500人以上)のスパムレートは68.1%という結果も出ている。

7月のメールトラフィック全体に占めるスパムの割合(発表資料より)

メールトラフィック全体に占めるフィッシング攻撃の割合は前月から0.003%減り、メール475.3通に1通の割合(0.21%)となっている。7月のフィッシングレートが最も高いのはオランダで、94.4通に1通の割合でフィッシング攻撃が含まれていた。2位は南アフリカで、171.2通に1通の割合。米国、カナダのフィッシングレートはそれぞれ995.5通に1通、244.9通に1通で、日本は7448.8通に1通だった。

業種別に見ると、公共機関のフィッシングレートは113.3通に1通で、先月と変わらず全業種の中で最も高い。ほかでは、化学 / 製薬業界は1119.1通に1通、ITサービス業界は750.9通に1通、小売業界は1023.0通に1通、教育業界は335.8通に1通、金融業界は285.9通に1通、自動車業界は2068.1通に1通などとなっている。

7月のメールトラフィック全体に占めるフィッシングの割合(発表資料より)

メール感染型ウイルスがメールトラフィック全体に占める割合は、340.9通に1通(0.293%)で、前月比で0.023%減。悪質なWebサイトへのリンクを張ったメール感染型マルウェアが前月より1.5%増え、全体の26.5%を占めているという。

ウイルスメールの割合が最も高い国は前月に引き続きオランダで、82.2通に1通がウイルスメールとなっている。米国での割合は553.3通に1通、カナダは275.0通に1通で、日本は2083.7通に1通だという。

7月のメールトラフィック全体に占めるメール感染型ウイルスの割合(発表資料より)

このほか同レポートでは、オリンピックを扱ったハッシュタグを使ってTwitter上で悪質なコードを拡散する攻撃や、クレジットカード会社主催のコンテストに偽装したスパムとフィッシング詐欺なども取り上げられている。いずれもオリンピックの盛り上がりを悪用する手法で、ユーザーを欺いてマルウェアをダウンロードさせるケースも少なからず見つかっている。たとえば、同社が確認した最近のスパムメールには、YouTubeを模倣したWebサイトへのリンクが設定されていたという。

レポートは同社のWebサイトで公開されており、ダウンロードして全文を読むことができる。